コムギココメコ

備忘録と不備忘録を行ったり来たり

好きな短歌紹介

【好きな短歌⑧】だいなしの雨の花見のだいなしな景色のいまも愛なのかなあ/阿波野巧也

だいなしの雨の花見のだいなしな景色のいまも愛なのかなあ 阿波野巧也『たくさんのココアと加加速度』(『羽根と根』4号) 私事ではあるが、今年はお花見に行った。前日の夜に雨が降ってしまい、中止になるのではないかと思ったが、当日は天気が回復し、地面…

【好きな短歌⑦】白い布はずされながら美容師にまだ引っ越しを伝えていない/山階基

白い布はずされながら美容師にまだ引っ越しを伝えていない /山階基『コーポみさき』(角川『短歌』2018年11月号収載) 髪を切りに行くというのは、大体1~2か月程度のスパンで行われる生活のイベントで、前回と今回の間にあった話を、美容師とすることもある…

【好きな短歌⑥】全員で死に方さがした日の えっ?えっ、えっ?打ち上げが、あったんですか?/直泰

全員で死に方さがした日の えっ?えっ、えっ?打ち上げが、あったんですか? 直泰『刑務所のみんなで歌ったふたつのJ-POP』(稀風社『墓には言葉はなにひとつ刻まれていなかった』収録) 好き/嫌いや、愛という大きな概念を持つ単語は、自分の感情をストレー…

【好きな短歌⑤】公園のふたりは黙る しゃべるより芝生のほうがおもしろいから/斉藤斎藤

公園のふたりは黙る しゃべるより芝生のほうがおもしろいから 斉藤斎藤『比例区は心の花』(斉藤斎藤『人の道、死ぬと町』収録) 誰かといる時に話が盛り上がるという状況は、相手と話している状態が心地よいと言える。2人の関係は友人なのかもしれないし、恋…

【好きな短歌④】ボウリングだっつってんのになぜサンダル 靴下はある あるの じゃいいや/宇都宮敦

ボウリングだっつってんのになぜサンダル 靴下はある あるの じゃいいや 宇都宮敦『ギブン・ソングス』(ねむらない樹 vol.1,2018) 人によって、好きな短歌、心を動かされる短歌の基準になるものが多少なりともあると思う。数十年にわたり一貫している人もい…

【好きな短歌③】上海に行ってくるよと、津田沼に行ってきたよと報告し合う/五島諭

上海に行ってくるよと、津田沼に行ってきたよと報告し合う/五島諭 (五島諭『緑の祠』,2013年) どこかに行く/行ったという報告を誰かにするときは、大体はあまり行ったことの無い場所に行く/行った時である。 この歌でも、人物Aは上海に行ってくることを報…

【好きな短歌②】「下剤飲んだからかな・・・」って話してる人がいたんだけれど そうだろ/伊舎堂仁

「下剤飲んだからかな・・・」って話してる人がいたんだけれど そうだろ/伊舎堂仁 (伊舎堂仁「100万」、2018年) 電車に乗っている時や、外食をしている時、ふと他人の会話を受信してしまう時がある。だいたいの場合、それらの会話は進行中のものであるた…

【私の好きな短歌その1】3番線快速電車が通過します理解できない人は下がって(中澤系)

好きなものを紹介するのは難しい。語彙力が減ってしまうからだ。Twitterを眺めていると、好きなものを紹介している人は語彙力がその時だけ消えてしまう傾向があるように見える。 私も好きなものを紹介するとき、上手く伝わってないんだろうなと思う時が多い…