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コムギココメコ

忘れてもいいことを書くので不備忘録

サーチライトと目玉 + 漂う歓声

 お元気ですか?

 

 アイマスクを生まれて初めて買い、生まれて初めて使った。寝るときに目玉を必要以上に回してしまうため、寝れないときは目玉を夜の間ずっと回し続けるはめになる。理由としてはおそらく、眠れない焦りを真正面から受け止めるのを防ぐためだと思われる。暗い部屋の中を、サーチライトのように動く視線は、全く焦点が合っていない。あまり必要のある行為とは思えないため、アイマスクを使うことにした。

 アイマスクをつけると何も見えなくなった。単純な原因と結果であるが、素直に驚いてしまった。アイマスクをつけると何も見えなくなることに、多少疑問を抱いていたからだ。おかげで完全な暗闇の中で寝ることができる。108円で暗闇を買えるのだから、ずいぶん未来的である。

 

 新しい配置を覚えた食堂は、今日早速その配置を満喫していた。結果として、3分の1程度の席数は失われていたが、食堂は配置具合を楽しんでいるため、外部の人間が口出しをするのは無粋である。人間はあくまで食堂の好意によって座ることができるのだ。

 食堂の外から、無数の歓声が聞こえる。歓声の方向は分からない。本当に歓声を出している人間がいるのか、確証はなかった。もしかしたら、歓声を出すはずの人間は存在せず、ただ歓声だけが空気に漂っているだけかもしれない。霧のようにあたりを包んで、自らの位置をぼんやりとしたものにする。結局歓声は、私が食堂を立ち去るまで止むことは無かった。

 道路では行列ができている。しかし、行列の一番先頭の目の前はただの景色であった。一般的に行列には何かの目的が付いて回る。先頭の前には建物や、何かしらのイベントは必ず存在するし、今まで生きていた中で例外は1つとしてなかった。しかし、今日見た行列は、何物も付随していなかったのだ。人々は様々な年齢、恰好をして、列の構成物になっていた。私はすぐにその場を離れてしまったので、その行列が果たして何のために存在したのか、行列は活動しているのかは未だに謎のままである。

 敷地の外に出ようとすると、声がだんだんと近づいてくるのが分かった。先ほど食堂で聞いた歓声だった。歓声はやはり、空気中に漂っていた。私の方にゆっくりと近づいてきて、囲んだ。私は体中歓声まみれになった。時間にして15秒ほどで歓声は離れて行ったが、服に歓声が残ったままだった。手で振り払うと、服に付いていた歓声は、地面に落ちていった。

 

 CDを借りたが、光学ドライブが壊れているため取り込みができない。時折光学ドライブは音だけ出して私をたぶらかしている。どうしたものか。