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好きなアルバム紹介その2『Totems Flare』

 好きなアルバムを紹介していく。第2弾はClarkというアーティストのアルバムを取り上げる。
 
 Warp Recordsというレーベルがイギリスにある。割と有名なレーベルで、不気味なニンマリ顔のジャケットが有名なAphex TwinSquarepusherなど、エレクトロニカというジャンル(ジャンルなんかにとどまらない人々ではあるが)では有名なアーティストが多数在籍している。各自調べてもらいたいのだが、その他在籍するアーティストも、一筋縄ではいかない曲者ぞろいである。
 そのWarp Recordsに在籍するClarkというアーティストの、5枚目(Chris Clark名義含む)のアルバム『Totems Flare』が、今回紹介するアルバムである。

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 Clarkと言う人物は、アルバムごとに音楽性が変わる人で、『Totems Flare』の前にリリースされたアルバム『Turning Dragon』は4つ打ち(1小節に4分音符が4回続くリズム。言葉で表記するとタンタンタンタンというリズムである。ちなみに、「ダンサブルなリズムが~」などと評価される最近のバンドはこの4つ打ちを取り入れている場合が多い)の攻撃的なアルバムである。
 今回のアルバムはどんな音楽性なのか。電子音が主体になっているのは前作とは変わらない。しかし、前作よりメロディははちゃめちゃで落ち着きがないし、リズムも4つ打ちでないものが多くなり、踊ろうとすれば躓いてしまうかもしれない。
 このアルバムの好きなところを上げると、耳を抉ってきそうなカッコいい音がいきなり現れるところである。2曲目の『Growls Garden』は中盤からブリブリと音がのたうち回り、3曲目『Rainbow Voodoo』は終盤、10曲目『Suns Of Temper』は中盤で音が襲いかかって来る。展開がちょくちょく変わるため飽きない。そして、最後の曲『Absence』でクールダウンしてアルバムは終わる。
 日本盤の場合ボーナストラック『Steepgrass Five』が収録されている。内容は20分(!?)を超える不穏なアンビエント曲(アンビエントの定義は難しい。私は静かでゆっくりとした音楽くらいにとらえている)である。どんなボーナストラックだよ。
 エレクトロニカというジャンルは若干とっつきにくいイメージがあるのかもしれない。あんまり歌わないし、変なのも多いし。しかし、『Totems Flare』はカッコいい曲が多いし、飽きさせない工夫も多い。カッコいい、すごい音楽にジャンルなんて関係ないだろうから、是非是非聴いてほしい。
 ちなみに、次のアルバムである『Iradelphic』は、また音楽性がガラッと変わるため、『Totems Flare』のような音楽を期待して買ったり借りたりするとアレッとなるので気を付けたほうが良いと思う。良いアルバムだけど。

 

【トラックリスト】
1.Outside Plume
2.Growls Garden
3.Rainbow Voodoo
4.Look Into The Heart Now
5.Luxman Furs
6.Totem Crackerjack
7.Future Daniel
8.Primary Balloon Landing
9.Talis
10.Suns Of Temper
11.Absence
12.Steepgrass Five(日本盤ボーナストラック)

 

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