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好きなアルバム紹介その9『水中JOE』

 音楽には分かりやすいものと一聴すると全く訳の分からないものが存在する。分かりやすいものと分からないものの優劣はつけがたく、それぞれの概念で良いものもあり、悪いものもある。今回は全く訳の分からないと感じたアルバムを紹介することにする。想い出波止場の『水中JOE』である。

水中JOE (HQCD)

水中JOE (HQCD)

 

  暗いところで多重露光撮影されたゴルフのワンシーンという、ジャケットもこのアルバムの訳の分からなさを増長する一因になっている。

 まず、ジャンルを述べておく。ジャンルは「???」である。ギターが激しく鳴るが、ロックでもパンクでもない。ポップではもちろんない。ジャンル不明の音楽と言わざるを得ない。

 アルバムを再生してみる。1曲目は「22次元」という曲だ。刀を抜いたような音が流れ、水中にいるかのような音響で始まる。ノイズが入り、一体何だろうと思っていると、いきなりラップのようなものが流れ出す。はて、と思っているといきなりYes(有名なプログレのバンド)の『Close To The Edge』が耳に飛び込んでくる。やがて奇声が混じり、「取り返しのつかない重大な!」と声が放たれると同時に一瞬静かになる。それもつかの間、また音の洪水である。最後は洪水と共に、「物を投げないでください」という声が近づいてきて、いきなり事切れる。1曲目だけでポケットに入らないくらい疑問符を押し込まれてしまう。

 2曲目の「サムライ ACID CONTEMPORARY」はギターが中心の曲だが、いきなり奇声が入り混乱する。ここらへんで、このアルバムは最後まで訳が分からないで終わるのではと不安になってくる。

 時々気の抜けたような歌モノが流れてくるものの、水中で声を出しているだけの曲もあり、その後も曲とは言い難い何かが流れ、最後は水のゴボゴボとした音が流れてアルバムが終わる。最初から最初まで「意味が分からない」ことだけは一貫しているが、それ以外の一貫性は皆無に等しい。

 しかし、音の打ちのめされることは確かだ。こんなに意味や説明を拒否するアルバムはそうそう無いのではと思う。もしかしたら作者の山本精一氏(元ボアダムスのギター、ボアダムスについてはほとんど知らないので沈黙する。羅針盤ROVOというバンドでも活躍しているらしい)にも説明ができないのかもしれない。

 「こんなの音楽じゃない!」と思う人もいるかもしれない。しかし、謎の感動と呆然とした気持ちになる人もいる。私もその1人だ。良いと思う人もいるし、悪いと思う人もいる。お前の思った通り聴けばいいのだ。

 

【トラックリスト】
1. 22次元
2. サムライ ACID CONTMPORARY
3. BLUES FOR TURN TABLE
4. ROUTE 99999
5. 水中JOE
6. 中核
7. SHOOTING DUB
8. 太っ腹(玉砕ワルツ)
9. ハウ
10. N.C.C.P1701-1
11. 第三ロック
12. IN
13. SEA MONK

 

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