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忘れてもいいことを書くので不備忘録

読書感想文その12

中島国章『プロ野球 最強の助っ人論』講談社現代新書

プロ野球 最強の助っ人論 (講談社現代新書)

プロ野球 最強の助っ人論 (講談社現代新書)

 

  私はプロ野球が好きである。プロ野球ファンは贔屓の試合結果を見て一喜一憂する(ちなみに私は横浜DeNAベイスターズのファンである)。

 チームには毎年新しい選手が加入することになる。その中には外国人選手が含まれる。外国人選手の良し悪しでチームの順位は上下することになる。戦力の穴を埋めるために獲った外国人選手が、さらに穴を掘っていくような展開になれば、なかなかAクラス入りするのは難しい。

 この本はアレックス・ラミレス(現DeNA監督)やロベルト・ペタジーニ(元愛妻家)をスカウトしてきた中島国章氏による助っ人論である。長年通訳やスカウトをしてきた経験から、日本のプロ野球で活躍する助っ人と活躍しないいわゆるダメ外国人の特徴を実例を挙げて紹介しつつ、スカウトの裏側について語っている。

 私はメジャーリーグやある程度実績を残していないとなかなか日本で活躍することは難しいと考えていたが、この考えは半分しか当たっていなかった。外国人野手の場合、メジャーリーグで「ウォーニング・トラック・フライ・ボール・ヒッター(フェンス手前で打球が失速するバッター)」でも、日本で通用すると中島氏は主張する。日本で活躍したアレックス・ラミレスもウォーニング・トラック・フライ・ボール・ヒッターだったらしい。スカウトならではの視点があるのだなと感心した。

 また、性格はやはり重要らしい。確かに、正確に難がある外国人選手は、なかなか活躍していない場合が多い。活躍していても、あまり円満に球団と別れることがないように思える。家庭環境まで調べ上げるスカウトの用意周到さがあって、初めていい外国人を獲得することができるのだろう。

 若干手前味噌が鼻につくこともあるが、通訳・スカウトという視点から見た外国人選手論は説得力があると思う。プロ野球好きの方なら読んで損はないだろう。

 

吉本隆明共同幻想論河出書房新社

共同幻想論 (1968年)

共同幻想論 (1968年)

 

  基本的に読みたい本を読もう、というスタンスで私は読書をするのだが、時々他の人に本を進められることがある。『共同幻想論』も他の人からの勧めで読んだものだ。

 この本は1968年に出版されている。今は2017年だから約50年の歴史がある。Wikipediaによると、全共闘世代に熱狂して読まれたらしい(Wikipediaなので本当かどうかは不明)。全共闘世代とは学生がめちゃくちゃアグレッシブだった頃の世代である。この頃の話は歴史として見ると面白く、思想として見るとよく分からない。Youtubeに1970年頃の日本大学の学生たちの記録が転がっていたので見たことがあるが、映像としては面白かった。

 『共同幻想論』の話に戻る。感想を端的に述べると、半分も理解できなかった。簡単にこの本について紹介すると、国家などの共同体は人々による幻想であるということが語られている。なるほどなあと思う部分もいくつかあったが、文章が難しく、哲学などの知識があまりない私にはついていくのが厳しかった。

 また、この本では『遠野物語』や『古事記』が多数引用されているので、2つの本を読んでいたほうが理解が深まると思われる。

 「共同幻想」という概念はある程度共感できるが、いかんせん話題が高度すぎるため、軽はずみに読むと挫折する可能性が高い。ある程度哲学書や思想書を読破してから読んだほうが理解できる部分が多くなるだろう。私はただ読んだだけになってしまった。わたしゃ知識が欲しいよトホホ……。

 急にちびまる子ちゃんが乗り移ってしまった。余談だが、この本を勧めてくれた方に読んだことを話すと、「私もあまり理解できていない」と言っていた。その方は私より年上で、知識も私より多く搭載しているので、私は安心してこの本を図書館に返した。図書館最高! 1番好きな公共施設です!