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備忘録と不備忘録を行ったり来たり

漢 a.k.a. GAMI『ヒップホップ・ドリーム』を読みました

 読んだ本や聴いた音楽に関して500字程度で感想を書いていこうと思う。定期的に書くにはこれくらいがちょうどいい分量だと思う。

 

 先月あたりに漢 a.k.a. GAMI『ヒップホップ・ドリーム』を読んだ。

ヒップホップ・ドリーム

ヒップホップ・ドリーム

 

  1年以上前に購入自体はしていたのだが、積んである本が多すぎたのと、2019年の4月くらいまでは精神がうあーだったのでなかなか読む機会を作ることができなかった。

 この本は、MCバトルという存在を世間に知らしめた番組である『フリースタイルダンジョン』の初代モンスターである漢 a.k.a. GAMIの自伝である。割と裕福な家に生まれ育った漢 a.k.a. GAMIがストリートへと足を踏み入れ、ストリートでHIPHOPと出会い、自らの信じるHIPHOPを実践していく過程が事細かく書かれていて興味深く読むことができた。非合法な話も書かれていて、おそらく踏み入れることがない世界を知る事が好きな自分としてはその点も面白く読めた。また、MSCやソロアルバムの制作過程についても書かれていて、『1号棟107』しか持っていない自分としては、他のアルバムも探してみようという気になった。

 DOMMUNEでの公開記者会見で話題になったLIBRAとの騒動も、もちろん書かれている。ただし漢 a.k.a. GAMI視点の話なので、LIBRA側がどういうことを考えていたのかは分からず、正直に言って中立的な書かれ方はしていない。そこを踏まえて読む必要があるなと感じた。

 漢 a.k.a. GAMIは執拗なまでに『リアル』であり続けようとする。その姿勢は本の中に書かれている、『クルーのメンバーがMCバトルで「刺す」と言った後日に、実際にクルーで対戦相手を刺しに行く』という物騒なエピソードが象徴している。『リアル』というのは自分の言動に責任を持つ、演出だとしても実際の自分と矛盾する行動をしないということなのだと個人的には解釈した。憧れや畏怖、恨みを買いながらも『リアル』であり続けようとする姿が漢 a.k.a. GAMIの魅力なのだろう。

 余談だが、この本には時々敬語が出てくる。割と怖い話をしているときにいきなり敬語が出てくるので文章として読んでいる限りは面白く感じるのだが、実際は目の笑っていないジョークのようなもので、面と向かって言われたら背筋が凍ると思う。

 

  書いていたら1000字を超えてしまった。なるべく定期的に書いて、その本を読んでその当時の自分が何を感じたのか記録しておきたい。