コムギココメコ

備忘録と不備忘録を行ったり来たり

コート、ちくわ、人生のサブスク

2月4日(火)

 スーパーやドラッグストアなど、生活を続けるために必要なものを買いに行くのにちょうどいい上着が無いことに気づいた。今持っているパーカーは5年以上前に買ったもので、もう自分の嗜好からは外れてしまっている。コートも持っているが、あまりにもきまっているコートであるため、休日に遊びに行くときくらいしか着ないようにしている。あまり頻繁に着すぎると何とも思わなくなってしまう。

 服屋のオンラインショップをめぐり、良さそうなものがあったので購入を試みる。サイズを選択するときに手が止まる。自分がどのサイズのコートを着ればいいのか分からない。S・M・Lの3種類が存在していたのだが、判断基準となるものが身幅・着丈・ゆきとなっている。普段は実際にお店に行き、試着しながら大きさを判断しているため、自分ひとりだとうろたえてしまう。洋服の森に一人ぼっちだ。

 自分の持っているコートの身幅・着丈・ゆきを調べたが、買おうとしている商品と同じサイズではないため、さらにうろたえる。実際に定規を持ち出してコートの身幅・着丈・ゆきを測ってみたが、18cmの定規しか持っていない。持ち前のがさつさも重なっていまいち信用しがたい長さになっている。

 ちくわしか持ってねぇという画像がある。インターネットをそこそこやっている人なら一度は見たことがあるだろう。

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 あの画像が立体的に見えるGIFがあることをご存知ですか?

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  結局、もろもろの情報を考慮した結果、Lサイズを購入するのが妥当だろうという結論に至った。結論が正しかったかどうかは数日後に判明することになる。

 

2月6日(木)

 コートが届く日だったため、急いで退勤する。指定していた時間帯に何とか間に合い、ひたすら待つ。なかなか来ないな、と思っているチャイムが鳴る。段ボールを開け、コートを取り出してとりあえず着てみる。先日出した結論は正しかったことが判明した。想像よりも1.5倍ほどモコモコではあったが。とはいえこれで近所で着るようの上着が手に入った。近所に行き放題だ。まるで近所のサブスクである。社会とのサブスク。労働というサブスク。家族というサブスク。人生というサブスク。

 ある程度お金を払うことにより、私たちは喜怒哀楽を一ヶ月出し放題になる。滅茶苦茶に絶望し、悲観しても尽きることはない。広告も現れない。無料版の人生では、感情をしているときに目の前にアプリゲームなどの広告が現れることがあるらしい。お金を払っていて良かった。

 時々サービスを停止したくなるが、停止方法は意外に面倒なのでまだやらないことにする。