コムギココメコ

備忘録と不備忘録を行ったり来たり

どうにもならない領域

1月5日(水)

 生まれて初めて、万馬券というものを手に入れた。1週間後に行く予定のスキー代が賄えると思って喜んだ結果、1週間後にスキーのキャンセル代を賄う形になった。

 

 昨年の春ごろから重賞をメインに週1-2レースほど競馬に挑戦している。友人が競馬を始め、それを見た別の友人が競馬を始めて、その様子を見た私も競馬を始めることにした。ミイラを見た結果ミイラになってしまったのだ。

 友人たちと皐月賞に挑戦しよく分からないまま賭けた結果、東京でチャーシュー麺が食べられるくらいの金額を儲けてしまった。ビギナーズラックで勝ってしまったことにより、競馬との付き合いが始まってしまったように思える。

 運だけでなんとかなる時間は終わり、勝てなくなってくると予想の仕方を考えたりするようになる。そうすると何となく負けている状態から、自分なりにしっかり予想したうえで負けるようになってくる。基礎を学ぶために本を購入することもあった。

 基本的には飽きっぽい性格なのだが、自分でも分からない何らかの判断基準を満たすと一気にハマっていく。短歌や麻雀は判断基準を満たし、将棋は満たさなかった。競馬は前者にあたることとなった。

 収支をきちんとつけて、前走や前々走のレース映像を見つつ予想を立てる。競馬の面白いところは、自分ではどうにもならないな領域が存在することだ。展開の向き不向きや馬の状態によって、ノーマークの馬が真っ先に飛び込んできたり、人気がある馬の着順が後ろから数えたほうが早かったりすることがままある。自分ではどうすることもできない。麻雀にもどうにもならない領域が存在するため、自分にはこの領域があるゲームや競技を好きになる傾向があるのだろう。

 一回に賭ける金額が1000円前後なので生活の負担にはなっていないが、時間が少し取られるようになってきた。他にもやりたいこと、やらなければいけないことがあるため、時間を取られすぎないで予想を立てられるようにしていくことが課題だ。時間をかけたからといって的中率が上がるわけではない。どうにもならない領域だ。

 

1月8日(土)

The Weeknd『Dawn FM』を聴いた。Spotifyを導入してからは気軽にリリースされたアルバムをアルバム単位でしっかり聴くことができるようになり、捗っている。

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 レトロな音像のシンセサイザーが特徴的で、ディスコ的な曲が多いが大勢で踊るというよりは、家やドライブなど一人で聴いたほうがしっくりきそうだなと感じた。架空のラジオをテーマにしたアルバムだと、Oneohtrix Point Never『Magic Oneohtrix Point Never』が記憶に新しいが、『Dawn FM』でも一部の曲をプロデュースしているらしい。

 

2022年の過ごし方

 2021年が引退し、2022年が後を継いだ。ジルベスターコンサートや友人と見る初日の出、そして駅伝が無ければ新年だということも気づかないのかもしれない。

 新年一発目の曲として、自由が丘『お前を殺す』を聴いた。2ndアルバム当たりの相対性理論を思い出させるようなギターの質感が一通り滞在した後、入れ替わりで唐突に入ってくるノイジーなギターが特徴的な曲だ。どういう2022年になるのだろうか。

 

 

 毎年1月の初めに昨年立てた目標を振り返り、新しく目標を立てることがブログでの恒例行事となっている。一度やめてしまうともうやらないとも思う。

 2021年は以下の目標を立てた。

 

Twitterに掌編小説を50本以上投稿する

②ブログを60本以上投稿する

③本を50冊以上読む

④自分が面白いと思えるものの追及と研究

 

 結果としては、どれも達成することができなかった。気力やメンタルの浮き沈みをどうにかしないと、なかなか安定して何かをすることができない。あとは自分を高く見積もりすぎている感があった。

 気力は湧かず、メンタルは沈んでいる状態を基準値にして個人的な目標を立てていかなければならないことに、今さらながら気がついてきた。やる気に頼らない活動をしていかなければ、どんどんこの先きつくなっていくのだろう。何もしていたくないというのが、精神の本音なのかもしれない。

 

 そういった状態の中で、2022年の目標を立てた。大きな目標としては、「気力の最大値を上げる生活リズムの確保」だ。

 仕事をしている中だと、何かをするのは基本的には退勤後か休日になるが、疲れてくると退勤後に勝手にスリープモードに移行したり、休日に身体を起動させるのに時間がかかったりする。気合いではもうどうにもならない。

 そうなってくると何ができるのか。世間的に良いとされる生活を送ることに尽きる。睡眠時間をしっかりと確保したり、日々少しでもいいから運動をしたり、できるだけお腹いっぱいにならないようにバランスよく食事を摂ることが挙げられる。そうすることで気力の最大値を上がっていき、少しでも勉強や創作活動に充てられるのではないかと思う。

 一番の解決すべき事項はなんといっても睡眠である。

 

例えば早く寝るだけで 心が強くなれること

 

 睡眠時間に関しては5年近く『Sleep Meister』で計測している。先月よりも平均睡眠時間を確保していくことが今のところの目標だ。

Sleep Meister - 睡眠サイクルアラームLite

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 また、どうすれば意味の薄い夜更かしをしないようになるのかも考えていく必要がある。ネットや動画のサーフィンはなかなかやめられそうにない。サーフィンの板を捨てるべきなのか。それか寝る時間になったら強制的に気絶させるマシンを導入するべきだろうか。

 

 運動に関しては、時間がある程度確保できるときはリングフィットアドベンチャー、あまり確保できないときはなかやまきんに君の動画で紹介されている運動や筋トレを行っている。

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食事は宅配サービスのnoshを導入した。評価はメニューの好みによって上下するが、夕食を考える時間が減り、ストレスが軽減されたような気がする。

nosh.jp

 

 生活の改善とは別に、2022年の細かい目標を3つほど立ててみた。

①本を20冊以上読む

②短歌連作のネットプリントを3回以上出す

③掌編小説を5本以上アップする

 

 公言できる目標は以上の通りで、あとは内に秘める目標をいくつか設定した。まとめれば、できる範囲でよく読み、よく書こうということだ。昨年の目標よりは数字がかなり減っているが、これなら達成できそうな気がする。

 ぼんやりとはしているが、「あきらめること」と「あきらめないこと」を両立させながら2022年を過ごしていければと思う。

 およそ半年後には生活がガラッと変わっている可能性があり、そのための準備にいそしみつつ、個人的な創作活動も定期的に行っていきたい。

大吉のグラデーション

2022年1月1日(土)

 新年を『東急ジルベスターコンサート』をテレビで見ながら迎えた。ここ数年はずっとテレビ東京でこのコンサートをみて年越しをしている。比較的番組のカロリーが少ないところが良い。テレビ番組によっては最近精神が胃もたれするようになってきていて、あまり良くないことだと感じている。一応ジャンプしておくかと思い、年越しに合わせてジャンプもする。

 今年も無事年を越すことができた。2021年に取り残された皆さんは、何かしらの方法で追いついてきてください。

 友人と初日の出を見に行く予定なので早めに布団にもぐったのだが、ネットサーフィンを数十分してしまった。

 

 5時半頃に目が覚め、しっかりと服を着こむ。カイロをお腹と背中に貼る。広義のサンドイッチだ。

 外に出て待ち合わせ場所の友人宅へ向かう。時間帯にしては人とすれ違うことが多い。みんな初日の出を見に行くのだろうか。かなりの寒さだったため途中で自販機にてあたたかいミルクティーを買い、友人たちと合流した。

 地元には土手があり、年に1回だけ初日の出を拝むためのスポットとしての役割を担う。土手は新しくコンクリートで舗装され、幅も広くなっていた。

 休職していた時に散歩がてら土手を歩いたことがあった。歩くのにちょうどいい気温で、桜も咲き始めていた頃だった。最終回のような気分になったことを今でも覚えている。スタッフロールが流れていたと思う。あなたは私のスタッフロールに名を連ねているが、別のあなたは載ることがない。

 15分ほど喋っていると初日の出らしきものが見えてきた。しかし3つほどあった。太陽の光が見えてきたと思ったら引っ込んだりもした。さっき3つくらい太陽がなかったか? ちょっと引っ込んでいないか? みたいな話を友人たちとする。橋が地平線の手前に陣取る場所だったため、変な見え方をしていたのかもしれない。

 そんな話をしているとスーッと太陽が現れた。肉眼で見て、写真にもおさめる。ズームした結果解像度が悪くなり、2枚に1枚は抽象画みたいになってしまった。

 

 

 初日の出を見終わった後はその足で近くの神社に向かい、お参りを行い、おみくじを引いた。大吉だ。昔、父親が買って渡してきたおみくじが凶で、自分で買いなおしたことがあった。友人の1人も大吉だったが、コメントが自分のものよりポジティブ寄りだった。手放しの大吉やギリギリ大吉など、大吉にもグラデーションがあるのかもしれない。

 自宅に戻り、雑煮を食べる。去年の早い段階で、もちを3つ入れようと思っていたので実行に移した。コートのポケットに入れていたミルクティーは冷たくなっていた。

 

 みなさんは去年のいつ頃から雑煮に入れる餅の数を考えていましたか?

第33回文学フリマ東京に参加しました

 5年連続5回目の文学フリマ東京への出店となり、どんどん形式上だけは笑い飯みたいになってきている。

 

 私にとって文学フリマ東京は、ターリー屋のバターチキンカレーを食べて想像上のインドを感じる場所でもあったが、コロナウイルスによって食べ物の出店がなくなってしまった。クルミドコーヒーの出店もない。様々なものが姿を消したが、2021年の秋も自サークルは文学フリマ東京に出店することにした。

 サークルの話をしておくと、私はメゾン文芸部というサークルを主宰しており、大学時代の友人たちと毎年小説の合同誌を出している。また、短歌冊子を個人で出してもいる。

maisonlc.home.blog

 

 出店者募集がはじまったのは7月頃で、例年より2か月程度遅かったように思われる。とりあえず参加申し込みをして、出店料を支払った。この時点ではほとんどのメンバーが1文字も書いておらず、自分も同じだった。

 その後は私生活に余裕が無くなったため、しばらく文学フリマのことを忘れる日々が続く。そうしていくうちに7月、8月、9月が終わっていき、気がつくと10月半ばになっていた。昨年はこの時点で小説が出来上がっていて校正をしていたが、今年は誰一人として提出していなかった。昨年の自分なら怒り散らかしていたと思う。

 なかなか自分を含めたメンバーのエンジンがかからず、今年は小説合同誌の新刊は出せないかなとも思っていたが、11月頭にようやくエンジンがかかり、自分のものを含めて4作品が完成した。社会人が深まっていくにつれて、なかなかこういった活動を維持していくのは難しくなるのかもしれない。あらゆる楽しいこと、面白いことにつきまとってくる気力という存在。嫌な話だ。

 その後はメンバーでカバーに使う写真を選定し、タイトルを決めていった。最終的に『HELP!』というタイトルに決定したが、これは切羽詰まった状況によって生み出されたものかもしれない。急ピッチでカバーのデザインを行い、締め切りの半日前になんとか入稿することができた。

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 改めてカバーを見てみるとほのかに洋書っぽい気がする。「洋書っぽい」という感想は友人のものであるため、一応私の感想を述べておくと「頑張った」になる。

 終わってからものんびりする暇はなく、自分の短歌冊子の作業に取り掛かる。20首連作が入稿締め切りの1日前になってもまとまりきらなかったが、なんとか完成させることができた。

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 短歌冊子の表紙に関しては、友人が旅行中に撮った写真を使わせてもらった。個人的にはタイトルと作者名を表紙に入れたくない気持ちが1年前から生まれていて、今回実行に移した。個人で冊子を作っているとこういった考えをダイレクトに反映できるので良い。

 入稿が終わった後はお品書きや物品の準備、既刊の搬入などを行い、文フリ前日に東京へと出発した。

 

 東京は結構な勢いで雨が降っていて、秋葉原のホテルまで靴を濡らさずに歩くのに苦労した。チェックインを済ませ、一息ついてから夕食を食べに行く。23時近くになっているとほとんどの店は閉店していて、ギリギリ空いていた日高屋へ向かう。迷ったら日高屋に行けば大抵は解決する。店内は結構賑わっていた。久しぶりに汁なしラーメンを食べる。個人的には日高屋と言えば汁なしラーメンだ。チゲ味噌ラーメンの到来で冬を感じる友人もいる。

 

生活にサンタが入りこむ頃の息の白さは少し足りない

 

 冬に入ってすぐの短歌だ。この文章は12月の半ばに書かれているが、息の白さをまだ見かけていない。この短歌は今回出した短歌冊子には入っていない。

 ホテルに戻り、しばらくテレビショッピングをラジオ代わりにしつつネットサーフィンをしてから眠りについた。

 

 当日。ホテルをチェックアウトして、キンコーズに向かった。印刷をし終わった後にお品書きに書かれているサークル番号が違っていることに気づき、慌てて白いペンを買いに行く。生まれて初めて白いペンを買った。

 寄り道をしたがなんとか集合時間に間に合い、友人とブース設営を行う。5回目ということもあり、開始時間までに準備が微妙に間に合わなかった。

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 その後は2時間ほど店番をする。開始30分弱で最初の1冊が売れて気分が楽になる。1冊目が売れるまでは、何回参加しても胃が痛い。これは今後何回参加しても同じような状態になると思う。ブースに来て挨拶をしてくださったり、お声がけくださった方もいた。ありがとうございます。

 他のメンバーがやってきたので、店番を交代して他のサークルを回る。チェックしていたサークルの新刊は大体買えたと思う。購入フェイズが一通り落ち着いたので、駅前にあるゆで太郎に行ったが、行列ができていた。他に考えるのも面倒だったため並ぶことにする。15分くらいで席につき、そばとからあげ丼のセットを食べた。そばとからあげの味がした。

 会場に戻り、再び店番をする。さらにメンバーが顔を出してくれたり、大学の後輩が現れたりした。小説の合同誌も短歌冊子もぽつぽつと売れていった。

 終了時刻である17時まで滞在し、文学フリマが終了した。その後は片付けをメンバーで手分けして行い、会場の外で売り上げの報告を行った。15時ごろで早退した昨年より売れたので、とりあえずは一安心だ。

 その後はメンバーとファミレスに行き夕食をとる。疲れているからかあまりお腹が減っていなかった。目の前の友人は唐揚げ定食を頼んでいたが、量が結構あったため目からカロリーを摂取している気分になった。

 その後は友人2人と群馬まで電車で帰ったが、7割ほど寝ていた。高崎線という路線は、埼玉は意外に縦に長いことを感じさせてくれる。電車を降りた後は友人の車で自宅まで届けてもらい、22時半頃にアパートへとたどり着いた。

 

 文学フリマが終わり、現在は新刊および既刊の通販を開始した。

 

【新刊】

komugikokomeko.booth.pm

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【既刊】

komugikokomeko.booth.pm

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 来年に関してはまだ未定の部分が多いが、おそらく参加すると思う。年1回本という物質を出す行為はもはやルーティーンと化している。あとはメンバーが揃うかどうかだ。

 また、小説に関しては年1回ではなくもう少し作品をブログやTwitterで発表をしていければと思う。アイデアはいくつかメモをしているので、あとは時間と気力が揃えばと思っているが、時間はともかく気力はどうにかしていかないと減る一方な気がしている。もう何も考えなくても創作ができる時期は終わってしまった。ここからは工夫をしていかなければならない。

 

 まずは早く寝ることにしよう。

金縛りに時々遭う / 『闇の自己啓発』を読みました

4月20日(火)

 寝不足だったこともあり昼寝をしていて、起きる、再び寝る、再び起きる、再び寝るを繰り返していたのだが、何回目かの起きるのときに、意識はあるのに身体が動かなくなってしまった。動かないことへの不安はあるのだが、もう何回も経験しているので「またか……」という面倒臭さのほうが強い。

「意識はあるのに~」というフレーズをどこかで見たことがあったなと思い、少し調べてみたらHIKAKINの自動字幕で出てくるフレーズだった。

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 対処法も自力で会得していて、こういうときは一回全身の力を抜いた後、手足にぐっと力を入れる。1回で解けることはなかなか無い。全身の力を抜く→力を入れるを繰り返していると、大体3~5回程度で体を動かすことができ、覚醒状態になる。

 この時もう一度寝てしまうと再び意識はあるのに身体が……状態になってしまうので、あきらめて起きることにする。

 

 この現象、オカルト的に言えば金縛りなのだが、医学的には睡眠麻痺と呼ぶらしい。

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 生活リズムが崩れていると起こることがあるらしい。その日も前述の通り寝不足だった。睡眠麻痺が起こると早く寝て生活リズムを整えないといけないと思うのだが、休みの前の日はダラダラしようという気持ちが強く、夜更かしをしてしまう。休みが飛び飛びにしかないため、なかなかリズムを戻すことができない。2日連続で休みがあることがどんなに良い事なのかを最近は思い知らされている。誰に?

 

江永泉,、木澤佐登志、ひでシス、役所暁『闇の自己啓発』を読んだ。

 いきなり序盤で作者の親知らずの画像が出てきて、迫力がある。

 この本の特徴の1つとして、かなりの量の注釈があることが挙げられる。様々なカルチャーに関する注釈が現れるため、注釈だけでも結構読みごたえがある。

 この本には6つのテーマと3つの雑談が入っていて、それぞれ課題図書に沿って話が展開される。展開されていく話の中で様々な本や論文、サイトが紹介されていき、読んでみたいものが増えていく。この「読んでみたい本・文章」が増えていく感覚が、この本を読んでいく上での喜びになっていく。

 日本の匿名掲示板に関する課題、墨子の思想、道徳とディープラーニング……過去と現在、そして未来を行き来しながら、話題は生み出され続ける。

 この本を読んだ後、エミール・シオランの『生誕の災厄』を読んでみたくなった。最近新装版が出たらしいので、購入しておきたい。

 

一冊の本は、延期された自殺だ。(エミール・シオラン『生誕の災厄』)

 なんというか、今の自分には頼もしい言葉に聞こえる。

 

ディストピア的な世界/身体から逃れるような別のフィードバックの回路をつくり上げること」。流布しては廃れていくパワーワードを拾い上げ、錬成し、ある概念をつくり上げること。それはいつも人を元気に、活動的にする(少なくとも、私を)。

(江永泉,、木澤佐登志、ひでシス、役所暁『闇の自己啓発』カバー袖)

 世界や身体から逃れ続ける・逃れられない結末を延期し続けていくことができればと思う。

最近聴いて印象に残った曲(Black Country New Road、SPIRIT OF THE BEEHIVE、藤井風)

 様々な音楽を見つけることができた要因の一つに、個人ブログがあった。記事を見ておっとなったアーティストの曲を聴いて、琴線に触れたり触れなかったりする。

 ブログごとに紹介しているジャンルにはある程度偏りがあったため、自分と似たような偏りがあればジャンルの深堀りができるし、異なっていれば新しいジャンルに手を出すことができる。

 音楽的な素養が無いため、感覚的な話が多くなると思うが、私もブログに迷い込んできた、過去の私のような人のために印象に残った曲を記していきたい。

 

Black Country New Road『Opus』

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 2021年にリリースされたアルバム『For the first time』に収録。

 ギター・サックス・バイオリンがゆったりと奏であう静かなパートと、ギターを飲み込むように動くサックス、それに追従するバイオリンが印象的な動のパート。この静と動のコントラストの反復で8分を飽きさせないものにしている。途中から入ってくるボーカルも、静かな低音を響かせるところから始まり、最終的には啜り喚くかのように変化していく。

 特に動のパートの、焦燥感や疾走感をまき散らしていくバイオリンやサックスにやられてしまった。各楽器が火花を散らしているようなスリリングな音楽だと思う。

 Artgridというサイトの素材を組み合わせたリリックビデオも印象的。

 

SPIRIT OF THE BEEHIVE『IT MIGHT TAKE SOME TIME』

※点滅の激しい映像になります。ご注意ください。

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 2021年にリリースされたアルバム『ENTERTAINMENT, DEATH』に収録。

 サイケデリックなスープに浸かって煮崩れしてそうな曲調で、ボーカルの声も心なしかふやけているように思える。途中で曲を覆うように挿入される長い響きのシンセサイザーも気持ちいい。

 夜中とかのぽけっとした時間に聴くと、身体が溶けていくような感覚になれそうだ。電池が切れるような終わり方がちょっと不穏であるけれど。

 

藤井風『キラリ』

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  2021年リリース。

 街やラジオで聴いてハマっていく、という経験が久しぶりにできた曲。四つ打ちの気持ちよさがキャッチーなサビに向けて背中を押していくような感じ。

 少し落ち着かせるような2番のBメロからサビに向かって上昇していく声からの最後のサビ、最後のサビが終わったらすぐ撤収するような終わり方によって、テンションが高まった状態で耳が保たれる。

ホーム・アローンで歯科医師会の存在を覚えた

4月20日(火)

 私の中で運転免許の更新は春の季語になっている。皆さんにも独自の季語があると思うので、近くの席の人と話し合ってみましょう。

 

 運転免許の更新は今回で2回目になる。1回目は初回講習だったため2時間かかった。2時間あれば映画を見ることができる。私はホーム・アローンが好きなのだが、あの映画は2時間かからないはずなのでエンディングまでしっかり堪能できるだろう。

 ホーム・アローンの話題が出たときは必ずと言っていいほど、主人公のケビンが店員に歯科医師会推奨の歯ブラシかどうか尋ねるシーンの話をしてしまう。語感の良さで妙に耳に残っている。

 大学で映画を題材にしてレポートを書く講義があったのだが、そこでもホーム・アローンについて書いた記憶がある。その時もどんな映画だったか細かいところを思い出すためにTSUTAYAでDVDを借りて見た。かれこれ5回以上は見ている気がする。

 普段は映画をあまり見ない。長い時間座って画面を見続ける集中力がないことと、映画館を出た後の時間の経過でダメージを受けてしまうことがあるからだ。社会人になってから、休日に勉強をする機会が増えたため、休日をのんびり過ごそうという気持ちが薄らいでしまっている気がする。

 違反点数が0点だったため、30分の優良運転者講習だけで済んだ。これは車を所持しておらず、基本的には仕事以外では車を運転しないことが大きな要因になっている。違反をしないためには車に乗らないのが最適解だと思う。

 前に住んでいた場所は、免許センターが最寄りの駅からバスで40分と、車を持っていること前提の場所にあった。免許センターの最寄り駅に行くにも電車で20分かかった。

 今住んでいるところだと最寄りの駅から15分歩けばいい。ただし最寄りの駅まで自宅からバスと電車で45分かかる。あまり変わらない気がしてきた。

 

 更新のハガキを貰ってから1か月くらい放置していたが、早く行かないと一生行かない気がしてきたので、休みの日に行くことにした。

 早めに終わらせたかったので午前中の回に行き、受付を済ませる。一度待合室のようなところで待機し、アナウンスされたら更新料を払いに行く。そこから別の建物に移り、視力検査を受け、椅子に座って待機。名前を呼ばれたら手続きをしてまた待機。また名前を呼ばれて写真を撮りに行き、ようやく講習を受ける部屋に入ることができた。行動と待機ばかりだ。

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 講習が始まり、初老の講師が配布されている資料をもとに話しはじめる。一番後ろの席だったため、ギリギリ聞こえるくらいの声量と滑舌だった。

 その後、15分ほどビデオを見る。結論としては危ないところは危ないという話だった。再び講師が出てきて、改正された法律に関して解説を行い、講習は終わった。

 

 その後免許証を貰って建物を出た。前よりは写真の写りが良くなっていたが、髪の毛のコントロールがついていなかった。免許証の写真写りに関しては、あと数百年人類が運良く生き延びたとしても、これ以上の発達は望めないような気がする。