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備忘録と不備忘録を行ったり来たり

SCP-???-JP-意識の高いコーヒー店

SCP-???-JP-意識の高いコーヒー店

Object Class:Euclid

取扱方:SCP-???-JPはその性質上、特定施設への収容が困難です。SCP-???の中には常に席数分のDクラス職員を待機させ、30分毎に交代させる必要があります。SCP-???入口付近には1人、コーヒーショップの店員の格好をした保安要員を配置します。また、入店する職員は必ず、Mac以外のノートパソコン、タブレットを所持していないかを確認しなければなりません。

民間人がSCP-???への侵入を試みる場合、保安要員は「満員であるため、他のお店をご利用ください」と説明し、帰宅を促してください。それでも侵入を試みる場合は即座に拘束し、クラスA-記憶処理を施して帰宅させます。

 

概要:SCP-???-JPは現在日本の██市内の██駅周辺の繁華街で営業しているコーヒー店です。外見はスターバックスコーヒーに酷似していますが、スターバックスコーヒーはこの地域へ出店を行っていません。いつ頃SCP-???-JPが作られたかははっきりしていません。「意識が高くなるコーヒー店がある」という噂が██市に広まったことで、財団の目に留まりました。

SCP-???-JPの内装は、スターバックスコーヒーと酷似しています。中には店員が1人存在しています(以下SCP-???-JP-1)。SCP-???-JP-1は20代の日本人女性の容姿をしていますが、人間であるかどうかは不明です。SCP-???-JP-1は店内に入った人物を確認すると、メニューを訪ねてきます。提供されたメニューは一般的なスターバックスコーヒーで提供されているものと性質は変わりません。

SCP-???-JPに30分以上滞在すると、Macを持っている場合Macを起動させ、作業を行います。この作業は生産性が無く、無意味である場合がほとんどです。パソコンを持っていない人物の場合もカバンなどからMacを取り出し、作業を始めます。どこから入手したのかは不明です。作業は誰かに制止される事がない限り、自ら止めることはありません。Mac以外のパソコンを所持していた人物は[編集済み]

1時間滞在すると、作業を中断し、片付けを行った後SCP-???-JPから退店します。その後、SCP-???-JPに1時間滞在した人物(以下SCP-???-JP-2)はビジネス用語を会話の中で使うようになります。これらのビジネス用語は文脈に関係なく使われ、会話の場面に適しませんが、SCP-???-JP-2は気にすることはありません。これらの不備を指摘すると、SCP-???-JP-2は更にビジネス用語を駆使して相手へ反論を行います。

また、起業やボランティア、大学生の場合は学生団体への参加をできる限り行うようになります。また、SNSを使って自らの行動を逐一報告するようになり、ビジネス本を数百冊買いあさるようになります。これらの行動を止めるために記憶処理は効果がありませんでした。

 

補遺:調査により、SCP-???-JPは現在日本に少なくとも7つ存在することが分かりました。新しくスターバックスコーヒーが開店したという情報を手に入れ次第、職員を派遣することになっています。

 

インタビュー実験記録1 - 日付20██/██/██

対象: SCP-???-JP-1

インタビュアー:エージェント███████

付記: エージェント███████は25分でインタビューを終了できるよう、タイマーを持っています。インタビューは1つ目に発見されたSCP-???-JPで行われました。

<録音開始>

SCP-???-JP-1: いらっしゃいませ!

エージェント███████: 君はどこから来たんだ?

SCP-???-JP-1: ご注文はお決まりでしょうか?

エージェント███████: いつからこの店に働いているんだ?

SCP-???-JP-1: いらっしゃいませ!

エージェント███████: この中に入った人々がどういう事になってしまうか自覚しているのか?

SCP-???-JP-1: ご注文はお決まりでしょうか?

<録音終了>

メモ:クソ、マニュアル通りの会話しかしないぞ。マニュアルが無いんじゃないのか。—エージェント███████

 

インタビュー実験記録2 - 日付20██/██/██

対象: SCP-???-JP-2(元D-123-45)

インタビュアー:███博士

<録音開始>

███博士: 気分はどうかね?

SCP-???-JP-2(元D-123-45): ドラッカーの理論的には、フィーチャーに変わったことはありません。

███博士: あの建物で何があったのか、教えてほしいのだが?

SCP-???-JP-2(元D-123-45): 一種のビルディングのコンテンツでは、ハレーションが変わって攻めるビジネスセンスが分かることを意味していますが、まるでクリエイティブに眺めているようなビジネスセンスでした。MBA取得予定の自分が意識の高い自分よりノーグッドです。

███博士: 今君は、自らの意思で話しているのかね?

SCP-???-JP-2(元D-123-45):ブレインストーミングしているのはオウンドメディアですが、勝手に口からビジネスバズワードがアウトプットてコミットメントします。既にモチベーションが狂いそうです。ASAP、ダウンロードをヴァニッシュして、ヘルプしてください。

<録音終了>

メモ:D-123-45は月末に問題なく終了されました。

 

仕事への意識が向上するのであれば、特に問題はないのでは? ―███研究補佐

 

近頃、SCP-???-JPをSafeに格下げしたらどうだという意見を耳にするが、もってのほかだ。仕事への意識が高まるなら特に問題はない。しかし、SCP-???-JPが高めさせるのは、仕事にかこつけた、ただの自意識だ。

このどうしようもない建物の犠牲になった人物はどうしているとおもうか? 中身のないビジネス用語を駆使して、自意識を今も肥大させ続けているのだぞ。そのような人物が社会に出たらどうなる。会社の方針に異議を唱え、自意識が満足する仕事だけを、勝手な方法で行うことになるぞ。

社会で1番不要な人材は無能な働き者だ。そのような人物を無限に生み出す装置があると考えてみろ。恐ろしい事態だ。放っておけば、いずれか社会では自意識を肥大させるために好き勝手が行われるようになる。

財団が存在する理由を考えてみてくれ。この建物は、国家を滅ぼすだけの力を持っているんだ。人を殺すことなく国家を転覆させることができる脅威を頭に入れなければならない。敵味方関係なしに、この建物の秘密を知られてはならないのだ。―███博士