初対面の人と1対1で話す時、ウッとなる。これはキャッチボールをするとき、どれくらいの強さ、位置で投げればいいのかが良く分からないためだ。よくこれらの現象を自虐的に「コミュ障」だのどうの言う人がいるが、大体の人は初対面の人と会う時緊張するので普通である。わちゃわちゃ話ができる人間に限ってコミュ障コミュ障言うのは、大体の場合予防線を張っているだけである。
真面目に話したほうが良いのだろうか、それともフランクな感じで接したほうが良いのだろうか、なかなか話のスタイルを確立させるのは難しい。
キャッチボールが上手くできない問題に対処すべく、色々考えていたのだが、最近答えらしきものを出すことができた。キャッチボールが苦手な人の参考になれば幸いである。
「DOTAMAスタイル」が答えである。まずDOTAMA(敬称略)とは何か説明をしておく。
DOTAMAとは、栃木出身のラッパーである。見た目だとラッパーだとは想像がつかない。
しかし、フリースタイルバトル(ビートに合わせて即興で言葉を吐き出す)の実力は高い。Youtubeなどでバトルを何回も見ているが、惹きつけられるものがある。
ラッパーとキャッチボールに何の関係性があるのかと思うかもしれない。実は、以外にも共通点は多い。
フリースタイルバトルはしたことはない。しかし、相手をdisる時に見た目や話などをしっかり見聞きする必要があるのは確かだろう。初対面の人と会話をするときも相手の見た目や話をしっかり見聞きする必要がある。また、フリースタイルバトルに勝つためには説得力が必要になるだろう。たぶん韻を踏んでいてもdisが的外れだったり、アンサー(相手のdisなどへの回答)を全くしなければ勝てないと思う。会話も相手の言った事を無視したり、脈絡の無いことばかり言っていれば、キャッチボールは成り立たない。
DOTAMAのスタイルは「笑うバトルMC」である。フリースタイルバトルをしていない時は謙虚な姿勢だが、バトル時は辛辣ながら笑いを軸の1つにしたラップで相手に挑んでいく。
私が参考にしたのは「謙虚」と「笑い」だ。まず、初対面の相手に対して謙虚に接す。そこから相手の話を聞き、ここだと思うタイミングで笑いを入れていく。笑いも露骨に入れると脈絡もクソもないので、私の場合は場に適したエピソードを用いることが多かった。DOTAMAスタイルを参考にした当初は自分の中で消化しきれず、なかなか上手くいかないこともあったが、場数を踏むことで初対面の人と話がしやすくなった。特に面接などではDOTAMAスタイルが非常に役に立った。
場数を踏むのは結構重要で、なかなか最初は声量が足りなかったり、何かを言うタイミングを逃してしまうこともある。しかし、相手もそこまで気にしてはいないだろうし、相手をリスペクトする謙虚さがあれば最悪な印象をもたれることも少ない。失敗しても割り切ることが必要だろう。
会話のキャッチボールが苦手な人は、色々見聞きして何か参考にすると良いのかもしれない。私の場合はDOTAMAが参考になった。どこに参考になるものが落ちているかはなかなか分からないものだ。
「○○ではそのやり方が流行ってるんですか~」「ちょっと<コンプラ>したくなっちゃうくらいイケメン」などを、初対面の相手に言うのは避けるべきだと思う。