コムギココメコ

備忘録と不備忘録を行ったり来たり

新潟の空き瓶歌会に参加しました

 私は現在、仕事の関係で新潟に住んでいる。新潟って皆さん知っていますか? 武器にするとリーチが長そうな県です。

 移り住んでからだいたい1年が経ち、社会に殺されないように日々やり過ごしている。皆さんは社会が好きですか?

 大体の皆さんと同じように、私は1日の大半を仕事と睡眠に費やし、残り少なくなった1日を何とか最後の最後まで絞り切って、やりたいこと、やっていて楽しいことに没頭している。

 やっていて楽しいことの1つに短歌がある。基本私は飽きっぽく、子供の頃も色々計画を立てて、すぐ放棄することを繰り返していた。計画を立てるのは楽しいのだが、実際にやってみるとなかなか続かないのだ。そういった気質は、今も変わらない。しかし、短歌に関しては2年前から始めて、どんどん熱中具合が上がっている。ずっと頭の片隅にあるような気がして、それに救われたり苦しめられたりする。これは恋を発症したときにあらわれる症状と類似性がある。

 私はうたの日というサイトに短歌を投稿していて、それらの結果が発表されてからTwitterに転送している。ちなみに私は橙田千尋という名義で存在している。

うたの日

 ネットに短歌を投げるパターンが存在するのと同時に、現実で何人かで集まって、短歌を読んで評しあう場も存在する。それらは歌会と言う。

 現実空間で存在を露出させるのは結構勇気が必要で、短歌をやっている人の中には歌会に行くのが怖い、自分の作った短歌をけちょんけちょんにされたらどうしようと思っている人もいるだろう。

 今回は橙田千尋という人物を例に挙げて、歌会がどんなものなのかを紹介していくことにする。しかし、私も1種類の歌会にしか参加したことが無いので、おそらく他にも様々なタイプがあると思う。1つの例として参考にしていただければ幸いである。

 

 短歌をいくつかの媒体に投稿していたある日、歌会たかまがはらというネット配信をしている歌会で投稿した短歌を取り上げていただいた。それと大体同じ時期に、新潟に空き瓶歌会という会が存在することを知った。1回行ってみようと思ったが、迷っているうちに締め切りが過ぎてしまい、行かずじまいだった。とあるVtuberの方の言葉を借りるとすれば、やらなければ、はじまらないのである。私はその時やらなかったので、はじまらなかった。

 その後、空き瓶歌会をTwitterでフォローしたところ、代表の方から新潟在住のメンバーで行っている小瓶歌会(空き瓶歌会のミニバージョン)にお誘いいただいた。私はすぐに参加したいとDMを送った。

 こうして、去年の11月に初めて歌会に参加することが決定した。基本的に私はインターネット上に浮かんでいるので、実質蒸気のようなものである。実体を持って現実の催し物に参加したことはほとんどなかった。

 小瓶歌会では題詠と自由詠を1首ずつ用意しておく必要があった。何とか2首作り、提出した。

 数日後、詠草一覧が送られてきた。小瓶歌会/空き瓶歌会では1首ごとに必ず全員が発言をするようになっているため、ノートに読んだときのイメージや抱いた感想を書いて当日に臨んだ。ちなみに、歌会によっては惹かれた歌を選び、票がたくさん入ったものから順番に評していくものもある(むしろそういったタイプのほうが主流なのかもしれない)。興味のある歌会に参加してみたい場合は、事前にどういうシステムなのか主催者に聞いてみるといいだろう。

 寝たり起きたりするうちに、いよいよ歌会当日になった。蒸気だった私は何とか肉体を用意して、外に出た。昼ご飯を食べていなかったので、立ち食いそば屋でたぬきそばを食べた。たぬきそばにはきゅうりの入っているものと入っていないものがあり、前者だと著しくテンションが下がってしまうのだが、そのそば屋は後者だったため、精神が保たれた。

 会場は砂丘館という場所だった。趣のある建物だったため、「趣~」となってしまった。皆さんは普段趣いてますか? ちなみに砂丘館から少し歩くと日本海が見える。私も時間があったので海を見にいった。日本海を見たときにくるりの『日本海』という曲を聴いていたので、「日本海日本海を聴いてるな~」という気持ちになった。

  時間が迫ってきたので、砂丘館に入る。中も趣きだった。歌会の会場になっている部屋に入ろうとしたが、どうも足が上手く進まず、様々な廊下を通った。中には短歌の鬼みたいな人がたくさんいて、ボコボコにされるのではないかとも思った。どこかに「この部屋に入るものは一切の希望を捨てよ」と書いてあったかもしれない。色々考えながら歩くこと数分、ついに部屋の中に入った。

 結論から言えば、私はボコボコにされずにすんだ。口が上手くまわらず、自己紹介の時に住んだことの無い場所のイントネーションで喋ってしまったことを除けば。数時間にわたり、何人かの短歌を読み、評を述べる体験をした。

 なかなかネット内にいると、他人から評や感想をいただく機会は少ないのだが、歌会では必ずと言っていいほど評を貰えるので、自分の歌がどういった感じで解釈されるのかが分かり、かなり参考になった。

 歌会が終わった後は懇親会があり、今後も参加しようという思いで帰路に着いた。

 その後も何回か小瓶歌会に参加し、先日行われた空き瓶歌会にも参加した。私は以下の歌を提出した。

 

遠足のおやつは200円以内ひらがなはさ行まで認めます

 

 ゲスト選者の方を含めた数人から評をいただいた。鋭い評が多く、今後評を述べる時の参考にしていきたいと感じた。

 歌会の後は懇親会があった。

 

 

 歌会に出ることによって、自分の歌がどういう解釈をされるのかを確かめることができる。歌会は東京で行われるものが多いが、地方で開催されるものもある。どこでどんな歌会が開催されているかは、hiroki asano(Twitterアカウント名をそのまま引用)さんのツイートが参考になると思うので、引用したいと思う(問題があればこの部分は削除します)。

 

  

 様々な歌会があることが分かる。Twitterアカウントやブログ、ホームページを持っている歌会もあるので、まずは調べてみて、気になったところとアポイントを取ってみるのが良いだろう。

 

 歌会は短歌を詠む/読む場所の1つである。歌会に行く行かないは自由だ。しかし、やらなければ、はじまらないこともあるので、この記事を読んで、歌会に行ってみたいけど勇気が、と言う人の参考になれば幸いである。

 宣伝をしておくと、新潟の空き瓶歌会はゆったりとした場所、雰囲気で行われている。新潟は食べ物も美味しいので、短歌をやっている(興味がある)方は是非旅行がてら参加してもらえればと思う。

 

 これからも頑張るぞ!!