コムギココメコ

備忘録と不備忘録を行ったり来たり

Not Waving『Good Luck』(2018年に購入/レンタルしたアルバム紹介)

Not Waving『Good Luck』

 

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 2017年リリース。

 一聴すると、無機質でゴツゴツした曲が多い。声が途中で挿入される曲がいくつかあるが、声が入ることで出る柔らかさを意識的に削ぎ落とされているように思える。声がカットアップされて、本来持つ柔らかさを感じる前に次へ次へ行ってしまうアルバムは時々あるが、このアルバムでは露骨なカットアップはされていない。声が冷たいというか、金属に触ったときに感じる冷たさを思いだす。妙に耳に残る。人間味の薄い声のサンプルが多いが、曲の終わりでライブ会場での観客の反応がサンプリングされているものもあり、ああ、人間がいるのだなという気持ちになる。

 ビートも質感が固い。人間らしさがあまり無いように思える。よく音楽のレビューサイトで用いられる言葉を使えば、インダストリアル(ざっくり個人的な解釈で説明すると、工業的、つまりゴツゴツした音楽)だ。ブリブリうねうねのベースが耳に残る『Me Me Me』、アシッド+無機質に繰り返される声のサンプルが特徴的な『Children Are The Phuture』、質感は変えずに落ち着いた雰囲気を醸し出す『Teach Me』などが気になった。

 分かる人だけに分かる説明になって申し訳ないが、Tzusingの『東方不敗』というアルバムが好きな方は、おそらくこのアルバムも好きだと思う。