コムギココメコ

備忘録と不備忘録を行ったり来たり

生まれて初めてスキーに行きました

 スキー場って行ったことありますか? 致死量の白が見られる場所です。

 

 2月はじめに友人たちとスキーに行こうという話になり、たまたまその日は空いていたので参加することにした。しかし、私は二十数年生きてきて1回もスキーをしたことがなかった。埼玉に住んでいたためだろうか。確かに埼玉には大きなスキー場もなければ海もない。しかし、同じ埼玉出身の友人がちょくちょくスキーに行っているため、その説はおそらく間違いなのだろう。

 スキーを全くしたことがなかったため、何を用意していけばいいのかも分からない。友人曰く、スキー板とブーツ、ウェア上下はレンタルできるらしい。しかしニット帽とゴーグル、手袋、ネックウォーマーなどのいわゆる小物類は買う必要があるとのことだった。休日を利用して小物類を用意した。Loftでニット帽とネックウォーマーが安くなっていてかなり助かった。ゴーグルは眼鏡の上から付けられるもの、手袋は撥水性があるものをスポーツ用品店で購入した。ざっと1万円ほどかかり、坂をすべる準備をするだけでこんなにかかるのかと驚いてしまう。土手をすべるのなら、安いそりを買うだけでいいのに。

 なんやかんやあって当日になり、電車でスキー場へと向かう。ボストンバックに荷物を入れていこうと思ったのだが、普段スーツケースを使っていたため、ボストンバックはロフトの上でほこりを被っていた。掃除をする気力もなく、結局スーツケースを転がしていく。遊びに行く前は大体寝不足で、今回もひたすら電車の中で寝ていた。

 自分以外は全員東京から来るため、新潟から来た自分だけ早く目的地に着いてしまう。外で待っているは厳しい寒さだったため、近くの軽食店に避難し、ココアを飲んで待っていた。

 友人がやってきて、スキー用品のレンタルショップへ向かう。スキーブーツを履いてみたが、かなり歩きにくい。小学生の時に老人体験という授業があったのを思い出した。スキーウェアはリフト券を入れるスペースがあるものがいいらしい。

 私服からスキーをするための服に着替え、いよいよスキー場へと向かう。スキー板とストックを担ぎながら、歩きにくい靴で歩いているので滑る前からかなり疲れてしまう。何とかスタート地点にたどり着き、ここからすべるのかと思いきや、リフトに乗る必要があるらしい。位置エネルギーを補充しに行くのだ。

 友人からスキー板の取り付け方の説明を受け、何とか板を装着する。しかし上り坂を全く歩けない。歩いても歩いても同じ位置にいる。そういう地獄か? 結局スキー板を外してリフトに乗ることになった。

 リフトで上まで登り、スキー板を装着する。どうやらリフトはいくつもあるらしい。敵の一人を倒したら、そいつは四天王の中では最弱だった、という展開を思い出した。緩やかな坂を下ってみるが、よく分からない。そしてそのまま中級コースへと連れていかれてしまった。

 リフトでもう一段階高くまで登る。リフトは降りるときが少し曲者で、ある程度滑らないとリフトが追い付いてきてぶつかる危険性がある。リフトのないところまで来ても、次から次へと人は降りてくるため、安全な場所まで移動する必要がある。これがなかなか難しく、タイミングがつかめない。この時点で、スキーの才能がないのではと思ってしまう。

 最初に滑ったコースが中級者コースだった。これが運の尽きで、そこそこの急斜面であるためハの字で滑ることもままならない自分では、スピードが出すぎてしまう。すると怪我をするのではという予感が出てきて、自ら転んでしまう。1回坂で転んでしまうと、なかなか体勢を立て直すのが難しく、立ち上がる→スピードが出てしまう→自ら転ぶを繰り返すことになる。坂を転げ落ちるのも体力がいるため、なぜこんなことをしているのだろう、中学の運動部かよと感じてしまう。この時点では、なぜ人は坂を転げ落ちるのにお金を払っているのかが全く理解できなかった。

 中級者コースに無理があることを悟った友人の一人が、かなり緩い坂道での練習に付き合ってくれた。何回か繰り返すうちにハの字の感覚をある程度つかんできた。

 そうこうしているうちにお昼の時間になったため、ご飯が食べられる場所を探すことになったのだが、一番低い場所にあるレストランは人でごった返していたため、少し上のほうにあるレストランに行くことになった。しかし、このレストランに行くためにも、中級者コースをすべる必要があった。どうにか坂を転げ落ちながらレストランへとたどり着いた。

 レストランはラーメンや丼、カレーなどを食べられる、よくデパートや学食などで見受けられるタイプだった。そこでチャーシュー麺とメロンソーダを注文した。体力を使いまくったあとに飲むメロンソーダはとてつもなく美味しい。体力をつかいまくったあとに食べるチャーシュー麺は普通だった。

 昼食後、スキーを再び滑ることになった。友人たちの一部は上級者コースへ行くらしい。待ち合わせ場所を決めて、各々散った。

 どうやら上のほうへ行くと林間コースというものがあるらしく、初級コースでそこまで斜面も急ではないらしい。私と付き添いの友人はとりあえず、そのコースへチャレンジすることにした。リフトを乗り継いでどんどん登っていく。降りるのにもようやく慣れてきた。実際、途中まで滑ってみたが、あまり急な斜面はなかったように思えた。

 その後、目的地へ向かおうとしたのだが、一つ問題が発生した。どのルートでも中級コースを通らなければ目的地へとたどり着けないのだ。まあなんとかなるだろうと、中級コースへ足を踏み入れたのが、悲劇の始まりだった。

 最初は良かったのだが、途中でとんでもない急斜面が現れた。何とか滑ろうと試みたのだがどうにも上手くいかない。蛇行しながら滑ったほうがいいと言われたが、蛇行を試みる前に加速がついてしまい、どうにもならなくなる。結局途中で断念して、お尻で滑ることにした。お尻のほうが断然早かった。なぜこんなに滑れないのか、お尻ですべるのにお金を払っているのかと思うと、腹が立ってしょうがなかった。

 最後に友人たちと2チームに分かれ、上から一番下まで滑ることになった。私と友人2人は、林間コースをすべることにした。

 途中までは難なく滑れていたのだが、途中で急な坂が現れた。蛇行して進もうとするのだが、すぐに加速がついてしまい、転んでしまう。滑っては転び、滑っては転び、転び、転び、滑っては転びを繰り返し、最後は転んだ拍子に勢いがついて柵に突っ込みそうになった。しかし、柵のギリギリ手前でなぜか90度ターンして、衝突を回避することができた。もうお尻で滑るほうが才能がある気がしてきていた。

 その後も何とか滑り、途中の急斜面は転び落ちつつ、終盤では左右移動がある程度スムーズになった。どうにかこうにか滑れるようになったところで、スキーは終わった。

 腕はバキバキ足はガタガタで、滑った当日でこんなに痛いのに寝て起きたらどうなるのだろうという不安を抱きつつ、新潟へと戻った。

 帰り道、自分が滑っているところを撮影していた友人がいたので見せてもらったが、あまりにスピードが出ていなかっため、一瞬静止画と勘違いしてしまった。同じ動画を見た別の友人は一言、

「牛車」

とだけ答えていた。

 

 案の定、翌日は体がバキバキすぎて範馬刃牙になった。

 

 秋田書店より、『バキ道』第1巻が発売中です。

 

 角力(相撲)の「祖」であり日本最古の公式試合の勝者である野見宿禰。その「宿禰」の称号を継ぐ者が現世にいることを知らされる刃牙
脆くて壊れやすい炭素の塊をこの世で一番硬い物質であるダイヤモンドに変える超絶握力を持つ男が…、日本最古にして最強の「相撲」の神が…、バキの前に立ちはだかる。

(秋田書店ホームページ『バキ道 第1巻』より引用)

www.akitashoten.co.jp

 

 ちなみに第2巻が2019年3月8日(金)に発売予定です。私は『グラップラー刃牙』を途中までしか読んだことがありませんが、興味のある方は是非どうぞ。