コムギココメコ

備忘録と不備忘録を行ったり来たり

CDショップ、孤高、オリジナリティ

10月5日(土)

 大宮にあるセレクトCDショップ、more recordsに行った。大宮で時間が少し余っているときは寄るようにしている。

 こういった店の良いところは、自分の記憶の片隅にしまいこんでいたアルバムに出くわすことだ。Bandcampなどで手に入れるとCDで購入するより割安な場合が多いが、その時点で頭に残っている、もしくはウィッシュリストなどに登録しているアルバムしか購入できないという弱点がある。CDショップは記憶の片隅を刺激する役割も兼ねていると思う。今回購入したNicola Cruzというアーティストの1stアルバムも、以前気になっていたものだ。

 また、more recordsではお店にあるCDが視聴可能なので、ジャケットや宣伝文で気になったものを聴いて購入することができる。そういった買い方をすると、普段自分があまり聴かないジャンルなどでも、好きなものが見つかったりする。Youtubeだけだと、自分の好みに沿ったおすすめになっていくため、見つかりにくくなるものもある。

 今回購入したアルバムは以下の2枚。

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 Nicola Cruz『Prender El Alma』は、民族的な音像にシンプルなビートが乗っかっていくアルバムだ。聴くのに体力や気力をそこまで要さず、純粋に気持ちが乗ってくるので、普段使いもしやすい。2ndアルバムもいずれ購入したいと思う。

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 Thom Yorke『ANIMA』は直近リリースされたRadioheadのアルバムや映画『サスペリア』のサウンドトラックから、ピアノやストリングスなどが前に出てくる静かなアルバムだと勝手に思っていた。実際に聴いてみると暗めの音像というベースは統一されているが、曲によって様々な変化が見えるエレクトロミュージックに仕上がっていて、良い意味で裏切られた。

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 ラショウ、香山哲『少し低い孤高』を読み終えた。 いつ購入したかは覚えていないが、中野のタコシェで購入したことは覚えている。

 この本は『孤高の存在』よりも少し手が届きやすい『低い孤高の存在』についてゲーム、絵、二人が共同で営んでいたお店など、様々な視点から対話をしている。ラショウさんの文体に癖があたり、誤字脱字がけっこう多いためうむーとなる場面もあったが、全体的には創作の心構えとして納得できる部分も多くあった。一番印象的だったのは、『オリジナリティ』という章の、以下の文章である。

 

香山 あえてすごい雑に言うと、オリジナリティがあるか・弱いんじゃないかって悩んでいるうちは、オリジナリティ大した事ない。そういう段階では、悩んでないで気にしてないで、手を動かして作れって感じ。

(ラショウ、香山哲『少し低い孤高』p.53より引用)

 

 創作全般は、すべての道が「まず作れ」に行きつくのだなと思った。今読んでいる塙宣之『言い訳 関東芸人はなぜM-1で勝てないのか』でも、なかなか芽が出ない若手芸人に対するアドバイスとして「とにかく一本でも多くのネタを書きなさい」と述べられている。作らなければどこにもたどり着けないのだ。

 10月に入ってからは短歌を1つも作っていない。そろそろ動き出そう。