コムギココメコ

備忘録と不備忘録を行ったり来たり

百首会、愛のテーマ、バーチャル一人吟行

5月3日(日)

 百首会(短歌を制限時間内に100首作るイベント)に参加した。今回は制限時間が9時〜23時までの14時間だったため、1時間で8首近く作り続ける必要があった。詳細に関しては記事を作成しているので、そちらを見ていただければと思う。

komugikokomeko.hatenablog.com

 途中ペースが落ちる時間帯があったものの、どうにか完走することができた。短歌を作る上で効果的だったのが、散歩とストリートビューだ。

 家の中で作り続けるのはなかなかしんどかったため、夕方に一回散歩しに行った。気になるものや風景があったらスマートフォンにメモをしながら歩く。短歌の種を能動的に探しながら歩くことは今までなかったため、普段と違う筋肉を使っているような気分になる。途中で毛皮のマリーズ『愛のテーマ』を聴いたのだが、夕焼けとほとんど誰も歩いていない道が合わさって、なんとも言えない多幸感があった。

youtu.be

 フルバージョンの動画もあったが公式では無かったため、日本コロムビアがアップしている1分程度のバージョンのものを載せておきたい。

 

 30分ほど歩いて、いくつか種をメモし、それらをもとに10首ほど作ることができた。行き詰まった時には効果的だと思う。

 ストリートビューに関しては、Twitterでバーチャル吟行という手法を見たことがあり、今回実践してみることにした。地元を出発し、国道に乗って東京方面に向かう。バーチャル一人吟行だ。気になったものがあったら一回止めて、短歌を作ることを試みる。結果として5分の1ほどはストリートビューの景色を題材にして短歌を作った。かなり効果的であったと言える。

 問題点としては、場所によってはなかなか浮かばないことが挙げられる。途中で工業団地に入った時にはサッパリ思い浮かばなくなり、最終的に新宿駅にワープした。また、地方の小都市だと風景が大まかな部分がどこも似ているため、ひたすらチェーン店に関する短歌が出来上がるかもしれない。ある程度は場所を考慮しておく必要がある。

 また、静止画であることも留意しておきたい。何かが動くことがないため、人や物、風景の流れを題材にした短歌はなかなか思いつかないように感じた。ストリートビューは行ったことのない場所にわたしを仮想的に連れていってくれるが、視覚以外のアンテナを張ることが難しくなるところに、バーチャル吟行の限界が垣間見えた気がする。

 23時からは作った歌を持ち寄って歌会を行った。3票入ったように記憶している。その後は雑談をしていたとのことだが、私は寝不足であったこともあり、日付を回って少ししたあたりで退室した。

 

 普段短歌をあまり作らないのだが、この会を経験したことにより自分の中で短歌を作るハードルが下がり、前より短歌を作るペースが上がった。その代わり、しばらく自分の短歌を作る際のフォームが分からなくなった。劇薬であることは間違い無いと思う。