灰色の賭け

目を開けてみると、知らない部屋だった。 昨日までの出来事が全て正しければ、俺は会社から帰った後風呂に入り、夕食を食べ、すぐに床に就いたはずである。起きるのはもちろん、自分の部屋の布団で横になった状態である。しかし、今は知らない部屋に立っている。 夢だ、しかもこれは俗に言う明晰夢だ。俺は頬をつねってみ…