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コムギココメコ

忘れてもいいことを書くので不備忘録

左に雨がいる

お元気ですか?

 

台風が近づいているらしく、しきりに雨が降っていた。傘が列をなし、場所から場所へと移動していく。私も傘を差し、図書館へ向かう事にした。

図書館の入口に続く長いスロープを進む頃には、傘を叩く雨は止んでいた。傘を閉じ、視線を左に向けると、少し状況がおかしいことに気づいた。

左に見える景色では、雨が降っているのだ。

見えている景色がこちらでも適用されていれば、傘を差していない私はずぶぬれになっているはずだ。しかし、どこも濡れていない。それなのに左を向くと雨が降っているのだ。

妙な気分になりつつ、図書館に入る。階段を上って、座る所を探そうと左を向くと、状況がおかしいことに気づいた。

左に見える景色では、雨が降っているのだ。

室内で雨が降るというのは少々考えにくい、しかし、確かに雨が降っている。更に奇妙なのは、振っているはずの雨を誰も気にしていない事だった。

私の左には、雨が寄り添っている。

そんなことは誰も経験したことがないはずだ。私も今まで生きてきて経験したことが無かった。しかし、雨は振っている。

何も濡らすことは無い雨。

雨が降ると結果として、物体が濡れることになる。今まで外に出たことがある人なら、分かりきったことだろう。濡れない雨は、ほんとうに雨なのか疑わしい部分もある。

しかし、左にあるのは、確かに雨である。証明はできないし、誰も見えていないのだから、信じてくれないだろうけど、確かに雨だと私には分かる。

しばらく本を読んだ後、図書館を後にした。

途中、土砂降りの雨と出会った。慌てて傘を差す。雨が存在を主張するかのように、大きな音を立てる。

すぐに雨は止んだ。左を見ると、雨はいなくなっていた。きっと土砂降りの雨が迎えに来たので、帰って行ったのだろう。

そう考えると、私の左にいた雨は、まだ子どもだったということになる。子どもの雨は仲間とはぐれてしまう事があるのか。私は何か秘密話を聞いたような気分になった。

夜の黒と雲の灰色が混ざり合い、家路につく私を急がせた。

 

教習所編もいよいよ佳境に入り、卒業検定に合格すれば釈放されるところまで辿り着いた。教習期限をフルに使ってしまった。早く免許を取って、TSUTAYAのレンタル有効期限をスムーズに更新したいものである。