コムギココメコ

忘れてもいいことを書くので不備忘録

太陽はクリームソーダを回している

お元気ですか?

 

雨は降り続いている。台風が近づいていて、大気が不安定になっているからだ。こうなってくると、空というものはもともと灰色が正しいものであり、所謂青空というものは誰かがふと妄想したことを全員が共有しているだけなのではないかと思ってしまう。今日も灰色だ。

散歩もできやしない。雨でも歩くことは可能だが、目的もなく歩き、何かを考えるのには適していない。そういう散歩をするときは、少なくとも傘を差しているときはできないと思う。厚い雲が思考を隠してしまうのか、それとも降ってくる思考を傘が妨げてしまうのかは分からないが。

 

普段ブログを読んでくださる方は重々承知しているだろうが、私の文章は殆どの場合虚実織り交ぜて書いている。事実だけ書くことは不可能だからだ。中には、「私は事実しか書いていない」と言う人もいるかもしれないが、事実なんてのは大抵主観からくるあやふやな物であって、ほとんどの人が虚実織り交ぜた文章を書いている。その人が意識しているか否かの違いだけである。私の場合、まだ虚と実を意識的に描いているのでまだまだだと感じている。一番いいのは、虚構的なものを無意識に描けることだと思う。そうなればもう怖いものなしである。

 

太陽が失踪してからちょうど一週間が経つ。報道機関は全くこの事件を報道しないが、もう皆が知っていることであり、規制は意味のないものと化していた。人々はやれ晴れを演じ続けなければいけないことに嫌気がさしたとか、もうすでに自殺していて、世界中の国が太陽の後継者を探しているから報道されないだとか勝手な事を言っているが、私にはどれも的外れな見解だと思う。

太陽は生きている。失踪なんかしていない。失踪なんて言葉は人間が勝手に付けたものだ。別に太陽は頼まれて顔を覗かせているわけではないし、ましてや太陽が時々こちらに顔を見せるのは義務だと言って憤るのは論外である。

おそらく遠い星に出かけているのだろう。そしてどこかの喫茶店に入り、クリームソーダでもつついているのだ。ストローをくるくると回す。クリームも回りだす。メロンソーダから見える景色はいつだって緑がかっている。そこでは私たちの知らない音楽がかかっている。マスターは髭を生やしている? そんなこと分かりやしない。クリームソーダだってこっちの勝手な妄想だ。知らない星なのだから、本当はどんな液体を飲んでいるかは想像はつかない。ただ、飲んでればいいなという、ちょっとした期待である。

テレビをつけると天気予報が流れていた。明日は久しぶりに晴れるらしい。