コムギココメコ

備忘録と不備忘録を行ったり来たり

生まれて初めてラーメン二郎に行きました

 普段話題として出てきやすいラーメン屋として、ラーメン二郎が挙げられる。豚と醤油と脂が押し寄せるスープに、大量の麺と野菜、そして肉塊のようなチャーシュー。

 

それは チャーシューというにはあまりにも大きすぎた
大きく 分厚く 重く そして大雑把過ぎた
それは 正に肉塊だった

 

 ベルセルクは高校の時に部室に置いてあったものを読んだことがある。今確認したら40巻まで出ているらしい。

ベルセルク 40 (ヤングアニマルコミックス)

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 インターネットでは様々なラーメン二郎に関する記事がアップロードされている。難しいと言われているコール(ラーメン二郎では提供前に「ニンニク入れますか?」と尋ねられ、そこでトッピングの量や有無を申告する)に関する情報などためになるものから、果てはネットの片隅で色褪せているコピペまで様々だ。

 私はいわゆる二郎インスパイア系と呼ばれるお店には何回も行ったことがあったが、本物のラーメン二郎には行ったことがなかった。『中間管理職トネガワ』や『1日外出録ハンチョウ』は読んだことがあるのに、元ネタになっている『カイジ』シリーズを読んでいないと同じではないだろうか。一回元ネタを味わっておけば、インスパイア系に行ったときにどういった点が違うのか分かってくるのではないだろうか。

 やはり1回は行っておくべきだろうと思い、6月にラーメン二郎へと訪れた。今回はその時の話について書いていきたい。

 

 私が訪れたのは、ラーメン二郎新潟店である。

tabelog.com

 なぜなら、普段私は新潟に住んでいるからだ。調べてみると初心者向けの店や上級者向けの店があるらしい。現実がこうなのだから、バッジを持っていないと行けないラーメン屋や、いあいぎりを使えるポケモンがいないと入れないラーメン屋がポケモン世界にはありそうだ。

 以前から店の近くを通るたび行ってみたいと思うのだが、ハードルが高かった。それはコールなどに代表される特有のシステムも挙げられるが、ニオイの問題もあった。二郎系のラーメンを食べると翌日までニンニクが残る。そのため、次の日が休みでないとなかなか食べる勇気がわかない。また、服にもにおいが残るため、その後に人と会う予定はできるだけ避けたいし、公共交通機関にもある程度の対策を施して乗るようにしたい。結局、ブレスケアとポケットリセッシュを当日持っていくことにした。

 

 ラーメン二郎新潟店の最寄り駅は新潟駅で、万代口から歩いて約10分かかる。やや大きめの道路沿いにあるため、あまり迷うことはないと思う。

 やはり黄色い看板が目印で、分かりやすくて良いなと思う。外で待っている人はいなかった。店内に入り、まず食券を買うことにした。

 店内に入るとカウンターは満席で、中で6人ほど待っていた。外に行列が無くても、中に行列があるという現象は、人気のラーメン屋だとしばしばある。土曜の午後2時過ぎに行ったのだが、やはり人気があると時間帯はあまり関係なさそうだ。ちなみにカウンター席の他にもテーブル席が2つあった。

 並んでから数分後、店員さんが「量を教えてください」と尋ねてきた。私は小ラーメンの食券を買っていたので「小です」と答える。インターネットでは麺を少なくしたい人はこのタイミングで申告すると書かれていたが、少な目と答えていた他のお客さんは、「あとでまた聞きますね」と言われていた。もしかしたら列の並び具合によって、申告するタイミングは変わるのかもしれない。申告するタイミングについて信憑性を持たせるにはあと数百回通う必要がある。

 列の先頭付近まで進んだところで、「ニンニク入れますか?」と聞かれた。コールをする時が来たのだ。あらかじめ、「ニンニクなし」と言うと「ニンニクマシ」に聞こえてしまい、間違えられてしまいかねないという情報を得ていたので、「ニンニク抜き、野菜少な目」と答えた。「カラメ?」と尋ね返された。どうやら「少な目」を「カラメ」に聞き間違えられたらしい。最後の2文字の韻が同じであるのが原因だろう。もう少し滑舌を良くしたい。あともう少し気さくになりたい。あともう少し穏やかでいたい。あともう少し、あともう少し……。

 ついにカウンターに案内された。水を汲んでからカウンター席に座ると、すぐラーメンがやってきた。

  ラーメン二郎にしては少なく見えるな、と思った方もいるかもしれない。野菜を少なめにしてもらうと、迫力は減る。しかし目がお腹いっぱいにならないという利点もあるし、美味しく食べられる範囲で注文をしたいと心に誓ったのだ。もう無暗に大盛りにしない。そういった積み重ねで大人になっていくのだ。

 カウンターにはコショウ、七味、ラーメンタレがあった。茹でられた野菜には味がついていないので、野菜を増やした人はタレをかけるのだろう。

 麺を野菜の下から掬いだして食べてみる。思ったより柔らかかった。会社の人から「麺が固かった」と言われていたので、少し予想と違った。スープは豚!脂!という感じで、あまり醤油感は強くないように思えた。チャーシューはやわらかめのものと脂身が多いものの計2つだった。チャーシューが柔らかくて美味しい。チャーシューだけ別で売ってほしい。夜ご飯のおかずにしたら食いでがありそうだ。

 麺をたいらげ、チャーシューを食べ進みながら、野菜も食べる。三角食べをしないとあとでどれか1つが残ることになる。特に終盤でチャーシューが手つかずだと、お腹的に苦しくなってくる。麺、チャーシュー、野菜。三角、トライアングル、フリーメイソン

 10分~15分くらいで完食した。結構お腹いっぱいだったので、野菜を普通サイズにしていたら危なかったかもしれない。賢明な判断だった。外に出て少し歩いたところで休憩しつつ、ブレスケアを飲み、ポケットリセッシュを勢いよくかけた。

 その後家に帰って作業をしていたのだが、気が付いたら眠ってしまっていた。二郎を食べて満腹中枢をグリグリやられて力尽きてしまったのだ。また、私は二郎系を食べると高確率でお腹を壊すのだが、この日も壊してしまった。一度カスタマーセンターに電話したほうが良いのかもしれない。

 

 世の中にはまだまだ食べたことが無いものがたくさんある。私の場合は最近、はじめて塩辛とアスパラガスを食べた。一度食べてみると、大体こんな感じかと世界の隅っこが分かってくるような気分になる。少しずつ食べたことのないものを減らしていって、最終的に全知全能になりたい。