コムギココメコ

備忘録と不備忘録を行ったり来たり

部屋を初期アバターにする

4月16日(土)

 引っ越し当日。荷造りの進捗度合いは8割5分くらいだった。今回は最低限の睡眠時間を取ることができただけでも進歩といえる。

 前回の引っ越しでは朝8時に業者がやってくるのもあって徹夜で荷造りを行い、到着15分前になんとか荷造りを終えた。引っ越し代を少しでも安くしようとしたために時間をざっくりとしたものにしたところ、町内会の草むしりよりもずっと早い時間に業者が来る羽目になってしまったのだった。

 今回は業者は15時から21時の間に来るとのことだった。これも引っ越し代を少しでも安く済ませようとしたために起こった時間指定だった。

 時間帯について友人に話をしたら全員に「21時の引っ越しは夜逃げだろ」と言われた。自分が話を聞く立場だったとしても同じ感想を抱くだろう。夜逃げになると終バスに間に合わないので、それだけは避けたい。

 

 朝8時頃に起きた。まず布団を袋に突っ込み、カーテンを取り外す。服を人前で脱いだような感覚を覚えた。

 洗濯機の水抜きを済ませて電源を抜こうとしたが、アースがネジで固定されていたことに気づいた。ドライバーセットは段ボールのどこかに入っている。十数箱のうちのどれか。しかもガムテープで既にふたをしてしまっていた。

 段ボールに何が入っているのかある程度把握するために、主に入っているものはペンで箱の上部にメモしておいたのだが、ドライバーセットは主から滑り落ちてしまった。

 ドライバーセットならコンビニで売っているような気がする。しかし、ドライバーセットだけで済むだろうか。この調子だと他に必要なものが出てくるかもしれない。いろいろ考えを巡らせた結果、素早さを上げることにした。

 

 前日まで車を借りていたレンタカー屋でもう一度借りることにした。今の自分の交通手段は自らの足か公共交通機関しかなかったため、非常に使い勝手が悪い。(素早さの低い任意のポケモン)から(素早さの高い任意のポケモン)になる必要があった。

 

(例)素早さの低いポケモンカビゴン 素早さの高いポケモンマルマイン

 

 飛び入りだったが何とかレンタカーを借りることができた。その後アパートから徒歩5分のコンビニでドライバーセットを買い、どうにか洗濯機のコンセントを外すことができた。

 荷造りが大体終わったため、台所や風呂場を掃除していく。退去の掃除に関してはルームクリーニングという強い掃除が入るため、その前に弱い掃除をやっても上書きされるだけだろという気持ちはあったが、退去立ち合いをする業者の心証を良くするためにやっておく。心証の良さと退去立ち合いのスムーズさは比例するものだ。

 その後もホームセンターに行き、ほうきとちりとりとクイックルワイパーを購入しておく。途中で引っ越し業者から連絡があり、あと30分ほどで到着するとのことだった。時刻は14時を少し過ぎたところだった。夜逃げにはならなそうだ。

 アパートに戻ってきて残りの掃除をしていると引っ越し業者がやってきて、30分もかからないうちに荷物を運び出し、部屋を初期アバターにしていった。

 その後は床の掃除を行い、掃除用具を残しておいた段ボール箱に詰め、ヤマトの事業所へ行った。素早さを上げてくれるだけでなく、人間が秘めるささいな積載量を拡張してくれるところも車の良さだ。

 

 荷物を全て出し、1年半弱住んでいた土地を抜けた。やけにラーメン屋の多い土地だった。