コムギココメコ

備忘録と不備忘録を行ったり来たり

紅茶とコーヒーがコンビを組んだら、どういう漫才をするのだろうか

 朝起きて意識がはっきりしてきてから、ドスドスという音が時々聞こえることに気が付く。考えられたのは誰かが跳ねまわっているのか、ぶつかり稽古でもしているのか、それとも誰かが私の家に侵入しているのかの3択で、最後の選択肢だった場合、ネズミならまだしも(ネズミでも十分嫌だが)人間だった場合、死ぬ確率はグッと高まる。嫌だなと思いつつ、トイレへ向かおうとすると廊下が異様なほど寒い。そこで第4の選択肢が出てくる。雪がある程度積もって、それがどこかに落ちる音だ。

 外を開けてみると雪が薄っすら積もっていた。約半年ぶりだ。普段新潟と言う場所に住んでいるので、以前住んでいた関東に比べると雪が降り始めるのが早い。

 雪が降ると、なぜだか外に出たくなるのは私の前世が犬だったからかもしれない。のんびりと支度をして、外へ出てみる。地面にはほとんど雪はなく、景色を一部分だけ切り取れば十分雨が降った後だと偽ることができそうだ。

 電車を使って、賑わっている方へ向かう。スーツをあまり持っていないので、買いに行くことを決意する。持っているスーツを変わるがわる来ているのだが、甲子園だったら批判が出ているほどの過密なローテーションになっている。

 自分に似合うスーツが全く分からないため、店員さんにこれこれこういう色のスーツを持っていて、こういう人を相手にした労働をしていますと伝え、アドバイスを貰いながら決めていく。社会ではスーツを着ることによって、労働をしていますよ感を出すのだが、感を出すのに数万円をかけなければいけないのはなかなか厳しいものがある。

 スーツをなんとか購入し、家電量販店に向かう。様々なものが売っていて楽しい。家のノートパソコンがもうボロボロで、持ち運んだ瞬間画面とキーボードが真っ二つになりそうだったので何か良いパソコンが無いかブラブラしてみたが、あまり収穫が無かった。照明コーナーを見るたびに、あの角度で照明がある家は1つも無いなと思う。

 家電量販店を出た後、店先に猫のおもちゃがぶら下げられているのに気がついた。上から糸で吊り下げられていて、くるくると回っている。触るとどうやら鳴き声を発するらしい。人が猫のおもちゃに触る。鳴き声を発しながら猫がクルクルと回る。どこかの部族の儀式みたいで、なんだか不気味だった。

 その後はカフェに行き、本を読んだり、提出する短歌を作ったりした。入ったカフェには紅茶コーヒーというものがあり、注文してみることにする。出てきたものを飲んでみると、コーヒーと紅茶が走って向かってくるような感覚に襲われ、どっちつかずの味に脳が混乱してしまう。「どうもー!!」と言いながら、センターマイクに向かっていくコーヒーと紅茶。コーヒーと紅茶はどういった漫才をするのだろうか。しゃべくり漫才? 間をたっぷり使った漫才? コントチックな漫才? 皆さんも是非考えてみてください。