コムギココメコ

備忘録と不備忘録を行ったり来たり

第17回天国歌会(百首会)に参加しました

 百首会、というものがある。

 時間を設定して1人100首短歌を作る催しのことを言うらしい。大体1日かけて作成する場合が多いらしい。そういった催しがあることは知っていたが、実際にやったことがなかった。世の中にはそういう物事が多い。クリケットカバディがそれらのカテゴリーに入ってくる。

 今回は5月3日(日)に行われた第17回天国歌会(百首会)に参加した際の感想を書いていきたい。

 ちなみに百首会で作成した短歌は、あきらかに使う場所がないものを除いては公開しない。今後どこかで日の目を見る可能性もあるかもしれない。

 

~前日

 百首会が行われると聞いたのは、五月の頭あたりだった。天国歌会という、鈴木ちはねさんと山本まともさんが主催している歌会で、百首会をオンラインで行うという情報がTwitterに流れてきた。

 私は2か月に1回、10首前後の連作を作るくらいで、普段はあまり短歌を作っていない。1日で作った短歌も、最高で5首くらいだとと記憶している。そんな私が1日で100首作るのはかなり無理があると思い、一回スルーした。

 しかし、賞に出す短歌をあまり作れていないという事実があり、ゴールデンウィークもあまり短歌が作れる気配がしなかったため、百首会でたくさん作ってしまえばいいのではと考えた。百首あれば賞に2つほど連作を出せる。そういった軽い気持ちで参加ボタンを押した。こういった考えがかなり甘かったことを、後々知ることになる。

 私が参加ボタンを押したときは13人ほどが参加を表明していて、思ったより多いなと感じたが、最終的には19人になった。野球ができて1人補欠ができる。

 かなり頭を使うことになるため早く寝たほうが良いと思ったが、結局友人とゲームを夜遅くまでしてしまい、深夜2時半頃に眠りについた。

 

当日(~9:00)

 8時半頃に起床。ふとんでうだうだした後、身だしなみを整える。ZOOMを使うため、人前に顔を出すことになるからだ。

 集合2分前ほどに準備が整い、ZOOMを起動して会場へ入った。

 

9:00~10:00

 会場に入ると、既に大半の人が来ていた。

 山本まともさんから会の流れと注意事項を聞く。23時に歌会があるため、そこまでに100首作らなければいけない。持ち時間は14時間で、1時間に7首では間に合わない。このあたりではまだ、何とかなるだろうと思っていた。

 9時15分頃に最初の1首が投稿され、スタートの合図になった。5分ほどで1首目を作り、自己紹介を行った。とりあえず普段メモしている短歌の種(外に出た時に気になったもの・状況などをメモしたもの)を使って45分で6首作成。まあまあのペースだ。

 

10:00~11:00

 引き続き短歌の種をもとに短歌を作る。七五調に整っていないため、すぐまとまりそうにない種はスルーして次の種にいく。

 一瞬ブッダマシーンの話が出てきたので、短歌に詠みこむ。

ギターソロの隙間を抜けて念仏を耳に届けるブッダマシーン 

 1時間で8首作り、合計14首。ペースとしてはまあまあ。まあまあばかりだ。

 

11:00~12:00

 後日別の場所に投稿する予定の短歌を作成。題詠だったため、あまり題詠が得意でないことも相まって時間を消費してしまう。

 1時間で5首つくり、合計19首。少しずつ遅れ始める。

 

12:00~13:00

 短歌の種を使うことをやめ、近くにあるものから短歌を作ろうと試みる。ミックスナッツが家にあったため、成分表などから短歌を作る。

 落花生・バナナ・りんご・大豆を含む製品が揃っている工場

 この歌は21首目だが、この時点でかなり苦しんでいることが分かる。韻律がおかしい。

 その後はGoogleストリートビューを使い、気になったものを使った短歌を作る作戦に移行する。この作戦は終盤まで使われることになる。

 ストリートビュー作戦が功を奏し、1時間で10首作ることができた。合計29首。少し巻き返した。

 

13:00~14:00

 余裕が出てきたので、音楽を聴きながら短歌を作ることにした。坂本慎太郎『ナマで踊ろう』のインストを聴いた。

www.youtube.com

 アルバムに収録されている曲。上の動画は歌が入っているバージョンです。

 短歌を作る人で、音楽を聴きながらでも作れる人と作れない人は結構分かれるような気がする。私はインストだったら特に問題がない。

 ストリートビューは地元からスタートしたのだが、栄えていない国道を通っていたため、気になるものが見つからない。

 ほろんでもやがて「あたらしく世界を作っています」と看板が出る

 32首目。こういう歌、数年前は作っていたが今はほとんど作っていない。

 1時間で6首作り、合計35首。

 

14:00~15:00

 朝から何も食べていなかったため、スーパーへ昼飯を調達しに行く。そのまま昼ご飯を食べて休憩したため、ほとんど短歌は作れなかった。

 1時間で1首作り、合計36首。この時点で80首に到達した参加者もいて驚く。同じことをしているのにスピードが違う。弱小校のノックと強豪校のノックみたいだ。などと思っていたら15時前に100首到達していた。すごい。

 

15:00~16:00

 ストリートビューを使いつつ短歌を作っていく。時々ふと思いつくことなども短歌にする。

 母親がロボットみたいになるLINE 後で聞いたらロボットでした

 39首目。そんなわけないだろ。

 15時過ぎに大喜利が始まる。1度だけ回答した。

 

 【お題】こんな百首会はいやだ → 【答え】消費税分歌を没収される

 

 どうなんですかね。

 少しペースを上げ、1時間で10首作る。合計46首。この時点で制限時間が残り半分になる。このペースだと間に合わないため、焦りが生じる。

 

16:00~17:00

 このあたりが一番しんどかったような気もする。

既に死んだと言われるジャンルを何回も掘り起こしながら死ぬのだろうか

 50首目。精神的に追い込まれているような気がする。

 16時半頃、青松輝さんが投稿しているYoutube(『ベテランち』という名前で活動しているとのこと)が面白いという話になり、あまおうの動画を見に行く。

www.youtube.com

 面白かった。自動字幕的に予想していない単語が出てくると笑ってしまう。翌々日あたりにバターロールの動画としぇからしかあるあるの動画も見た。

 またペースが落ち、1時間で6首しか作れなかった。合計52首。

 

17:00~18:00

 気分転換に音楽を聴く。骷(骨架的)の『Holograms』にした。Vaporwaveの初期に登場したアルバムである。

  少しだけペースがあがり、1時間に8首作った。合計60首。

 

18:00~19:00

  全く思いつかなくなったため、散歩に出かける。10個ほどメモをしながら、ついでにスーパーへ夕食を調達しに行く。気分を上げるために寿司を買った。

 1時間で2首作成し、合計62首。

 

19:00~20:00

 残り4時間で40首作る必要がある。6分に1首作らないと間に合わない。散歩した際に取ったメモを使って短歌を量産していく。

 山本さんが夕食で特うまプルコギピザを頼んだので、短歌に詠みこむ。

 たのしげな夜に特うまプルコギの特うま部分を探して食べる

 68首目。今度食べてみたい。

 1時間で12首作成し、合計74首。ここから巻き返していきたい。

 

20:00~21:00

 この時間帯になってくると雑談も少なくなり、キーボードの音だけが聞こえる状態になった。

存在しないノスタルジア、蒸気の中でひたすらぼかされていく時間

 79首目。さすがに疲れてきて概念めいた短歌になってきた。

 1時間で9首作成し、合計83首。どうにか1時間9首弱ペースになった。

 

21:00~22:00

 短歌というよりは短歌めいたものになってきていたが、気にしないことにした。ストリートビューが工業団地ばっかりになったため、新宿駅に移動する。

 ひたすら短歌を作るマシンと化し、1時間で11首作成。合計94首。10分に1首作れば間に合うペースになり一安心。

 

22:00~23:00

 短歌(のようなもの)を作るペースは緩むことなく、5分に1首ペースで作成。

 そして、22時37分。ついに100首目に到達する。おそらく参加者の中では遅いほうだったと思う。

 情報が無いから誰か天国のまとめサイトを作ってほしい

 100首目。天国を詠みこむことが暗黙の了解っぽくなっていたため、天国を詠みこんでみたがかなり俗っぽい。

 感慨に浸る間もなく、歌会に備えてシャワーを浴びに行く。

 

23:00~

 歌会の準備が行われる。しかし、チャット欄に大量の文字列が打ち込まれた結果、かなり重くなっていて私も含めて全員苦労しているようだった。

 23時15分に最後の一人が100首に到達し、全員が100首に到達した。

 その後歌会が行われた。深夜0時に終了するために、かなり駆け足ではあったが時間も時間だったので致し方ないと思う。

 歌会の結果、大天国(トップ票だった人)は鈴木さんに決定した。おめでとうございます。

 24時頃に大天国の鈴木さんから一言あり、一応終わりという形になった。その後少し歌会の延長戦を行い、寝不足による頭痛がしてきたので0時半にZOOMから退室した。

 Twitterなどを見ていると、その後も深夜2時ごろまで話をしていたらしい。

 

終わりに

 実際に百首会に参加してみて分かったのは、全部後々活用できる短歌を作ろうとすると到底(自分のペースでは)間に合わないということだ。ある程度短歌としてまとまったら出していく必要がある。作った短歌を少しずつ見返しているが、この後活用できそうなのは半分もないような気がする。

  また、実際に百首作れると、意外に(クオリティを考えなければ)短歌って作れるんだなという自信はついた。

 最初は自分のフォームで短歌を作れていたが、徐々に崩れていき、最後は滅茶苦茶なフォームになってしまった。最近納得のいく短歌があまり作れなくなっていたので、このあたりで一度作り方を見直してみようと思う。

 百首会を通して、もう一度自分の短歌の作り方を見直す機会ができたので、参加して良かったと思う。かなり精神力を使うので、数年に1回くらいしかできなさそうだな、とも思う。

 

他の参加者の方から見た百首会・百首会で作った短歌

 他の参加者の方も作った短歌や感想をアップしているので、そちらも是非どうぞ。

 

note.com

note.com

note.com

note.com

note.com

note.com

tankagungun.hatenadiary.jp

note.com

note.com