コムギココメコ

備忘録と不備忘録を行ったり来たり

個人的に良かったアルバム(2019年)

 毎年行っている、良かったアルバムの紹介を行っていこうと思う。今までは、自分が2019年に購入・レンタルしたアルバムというくくりで行ってきたが、今回は2019年にリリースされたアルバムに限定する。また、今まで10枚紹介していたが、今回は数を決めないで紹介していきたい。

 2019年に購入・レンタルしたアルバムの枚数は80枚だった。枚数の推移は以下の通りである。

 

2016年:149枚

2017年:207枚

2018年:145枚

2019年:80枚

 

 今までに比べると、今年はかなり少ない。精神的に不調だと、色々CDを探してみようという気も起きないらしい。また、2019年リリースのアルバムが少なかった。来年はもう少しアンテナを伸ばしてアルバムを探していきたい。

 過去の記事は以下の通りである(その年にリリースされていないアルバムも多々含まれている)。

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柴田聡子『がんばれ! メロディー』

がんばれ!メロディー

がんばれ!メロディー

 

  シンガーソングライター、柴田聡子の5枚目のアルバム。

 前作よりもキャッチーさがかなり上がっているように思う。アルバムの大半がバンド編成になったからなのか、それとも本人がインタビューで『〈勝手に幸せになるぞ、私もみんなも勝手に幸せになるぞ〉って。それだけを旗印に頑張っていこうと思うようになりました』と話しているように、心境の変化が関係しているのだろうか。

 対して歌詞は、今まで柴田聡子に感じてきた、こういう状況を歌詞にするのかという驚きを今作でも保っている。(おそらく)近所の家の犬が逃げた話で1曲もたせたり(『ワンコロメーター (ALBUM MIX)』)、本人曰く流しそうめん大会の歌(『セパタクローの奥義』)だったり、歌詞のモチーフをどこから引っ張ってくるのかと思う。

 このアルバムの個人的なハイライトは、キャッチーさと切なさが噛み合った『涙』だ。ベースとドラムが中心のAメロ、Bメロから、空間にやさしく響くギターが印象的なサビ。そして、最後の自分とあなたを対比させる歌詞。どん底の時に何十回も聴いて、すごい救われたからか、今でもこの曲を聴くと泣きそうになる。

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Tempalay『21世紀より愛をこめて』

21世紀より愛をこめて

21世紀より愛をこめて

 

   3人組ロックバンド、Tempalayの3rdアルバム。

  『SIKEI-MUSIC』というブログをよくチェックしていて、そちらでこのアルバムも紹介されていた。かなりの頻度でアルバムレビューを更新していて、そのバイタリティに敬服する。記事だけ読んで視聴もせずにレンタルした結果、好みにどストライクで、初めて聴いてから半年ほど経つが、いまだにコンスタントに聴いている。

 1つ前のアルバムである『from JAPAN 2』よりもサイケデリック、というより奇怪な音世界に磨きがかかったように思える。『そなちね』や『どうしよう』のような、終盤に向かって世界が広がっていくように聴こえる曲(キーボードによる効果が大きい)も好きなのだが、途中で展開の変わるような曲たち(『のめりこめ、震えろ。』『人造インゲン』『Queen』)がアルバムに散りばめられていることで、何が起こるか分からず、聴いている側が注意深く聴くような効果をもっていると思う。サイケデリックな音を土台としながらもバラエティに富んでいて、途中で飽きたりだれたりすることもない。個人的には2019年の後半、1番聴いたアルバムだった。

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Ogawa & Tokoro『Planetary Exploration 惑星探査』

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  名古屋の宅録デュオによる1stアルバム。

 ゆるやかなシンセサイザーとギターが特徴の『Crystal Meditation』で始まるこのアルバムは、どこか懐かしさを帯びているように感じる。どこかで聴いたことがあるような気がするが、気がするだけだと思う。そう思わせる力を持っているのだろう。教材ビデオや会社紹介などで流れている音楽を高品質にしたようなイメージだ。

 全体的にラウンジ・ミュージック風味だが、R&Bやディスコ的な要素もときおり顔を覗かせる。BPMが全体的にゆったりしているからか、聴き疲れしないのでどんな場面でも流すことができる。普段使いしやすいアルバムだと思う。

 

 天気予報『ひまわり画像』

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 天気予報によるアルバム。かなり多作であるため、何枚目のアルバムになるのかは分からなかった。

 Vaporwave(去年12月にユリイカで特集されましたね)内のサブジャンルに、signalwave/broken transmissionがある。1980年~90年代のCMなどをサンプリングし、スクリュー・ループを行うのが特徴だ。このアルバムもsignalwave/broken transmissionに属する。

 以前リリースしていた『雰囲気』は100曲入りのアルバムだったが、今作はなんと360曲、収録時間は6時間18分にも及ぶ。自分も1、2回しか通しで聴けていない。寝る前に聴くのだが、途中で眠ってしまうのだ。

 あまりループが執拗ではなく、曲によってはループさせずほぼそのままサンプリング素材を使っているようにも思える。半分近くの曲は1分以内に終わり、次のサンプリング素材(CM)へと移る。夜中、永遠に終わらないCMを、布団をかぶりながら聴いているような気持ちになる。

 Bandcampのリンクを貼ろうと思ったのだが、つい最近(2020年1月20日)、天気予報は突如活動を終了し、Bandcampからアーティストページは削除され、現在はごく一部のアルバムがリリース先のレーベルのページに存在するくらいだ。寂しい気持ちになるが、蒸気のように空気に混じって消えてしまうのも、おそらくこのジャンルの特徴なのだろう。

現在残っているアルバムのリンクを以下に貼っておくことにする。


 1曲目の『早朝放送「Introduction」』のサンプリング元が、土曜ワイド劇場のOPだということを正月に知り(『志村&所の戦うお正月2020』で流れていた)、なぜか感動してしまった。

 

 結局4つにとどまってしまった。2019年に購入・レンタルしたアルバムの中に、2019年リリースのものがほとんどなかったことに、この記事を書いたことで気が付いた。お金も限られているため、どうしても好きそうなアルバムばかり購入してしまう。もう少し気軽にアルバムを聴くために、Spotifyなどに加入しようかと考えている。

 2020年も様々な音楽と触れることができればと思う。ライブなどにも行ってみたい。