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好きなアルバム紹介その6『イルボン2000』

 25年間以上活動していて、ある程度知名度のあるアーティストは少ない。全く話を聞かなくなったり、解散や休止してしまう事が多いからだ。星よりも多い数いるかもしれないアーティスト・バンドの中で、長年活動してしかも知名度を得ることができる人々はごく少数だ。

 今回は25年以上活動して、知名度のあるユニットのアルバムを紹介する。電気グルーヴの『イルボン2000』だ。

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 電気グルーヴについて簡単に説明しておく。作曲・歌担当の石野卓球と、瀧担当のピエール瀧からなるユニットだ。以前にはCMJK(プロデュース業で活躍しているらしい。あまりCMJK氏については詳しくないので説明ができない)や砂原良徳(現在は元YMOの高橋幸弘が結成した『METAFIVE』というグループで活躍中)が所属していた。

 石野卓球は今年ソロアルバムをリリースし、DJも積極的に行っている。ピエール瀧は俳優業や静岡のローカル番組で活躍している。まさに、キャラ立ちがしっかりしていてかつ被らない奇跡的なユニットである。

 アルバム紹介にうつって行こう。『イルボン2000』はライブアルバムである。しかし、ライブの音声をそのままCDに移したものではなく、ボーカル音声にエフェクトをかけている(例えば『フラッシュバックJ-popカウントダウン』という曲では「ギ」という声がしつこいくらいに繰り返される)ので、純粋なライブアルバムではない。

 曲は、このアルバムが出る前にリリースされた『VOXXX』というアルバムを中心にしている。そこに電気グルーヴで一番知名度が高い曲である『シャングリラ』や、『電気ビリビリ』『富士山』などの人気曲や他アルバムの曲が入っている。

 このアルバムの特徴は前述した声のエフェクトと、全体的にテンポが速いということである。1つめの特徴について例をあげると、『キラーポマト』ではピエール瀧のボーカルが加工されまくっているし、『電気ビリビリ』ではかなり声がカットアップ(音源の断片を曲に挿入して編集する手法)されている。あと、エフェクトは関係ないが『ヴォルケイニック ドラムビーツ』は元の歌詞を無視してひたすら「イルボン(韓国語で日本)」「アボジ(韓国語でお父さん)」と連呼している。

 2つ目の特徴を1番実感できるのは『シャングリラ』だろう。テンポが速くなったため、勢いをつけて曲が耳に飛び込んでくる。全体的に見ても原曲よりテンポが速い曲が多い。

 勢い。このアルバムの良い所はライブの「勢い」をそのまま詰め込んだところだと思う。おかげでかなりテンションが上がるアルバムになっている。曲間の無音部分が無いことも勢いを最初から最後まで持続させるのに一役買っている。勢いが各駅停車せず、最初から終点まで駆けて行く。なかなかそういったアルバムは少ないので、テンションを上げるときに頻繁に活用している。

 このアルバムを聴いていると、電気グルーヴのライブはかなり楽しいんだろうなと思う。今までライブというものに行った事がないので、実際のライブがどういうものかは想像するしかない。しかし、『イルボン2000』はライブに来ているような感覚を引き起こし、なおかつライブに興味をわかせるような作りになっている。トップクラスのライブアルバムではないだろうか。

 

【トラックリスト】

1.ハロー!ミスターモンキーマジックオーケストラ
2.フラッシュバック ディスコ
3フラッシュバックJ-popカウントダウン
4.シャングリラ
5.ナッシングス ゴナ チェンジ
6.キラー ポマト
7.ジャンボタニシ
8.あすなろサンシャイン
9.かっこいいジャンパー
10.スマイルレス スマイル
11.レアクティオーン
12.TKOテクノクイーン
13.虹
14.ヴォルケイニック ドラムビーツ
15.誰だ!
16.電気ビリビリ
17.富士山

 

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