コムギココメコ

備忘録と不備忘録を行ったり来たり

生活の可視化で自己を肯定する

平日と休日の苦しみ 

 普段みなさんは平日をどうやって過ごしているだろうか。日中や講義やバイト、仕事などに追われ、自分の時間を確保できるのは大体夜の数時間といったところだろう。残業や飲み会などが発生すると、自分の時間を確保できない日もしばしば出てくる。

 自分の時間を確保できた日も、体力や気力がもうほとんどなく、ご飯を食べることと少しの家事をするので精一杯の時もあるし、曖昧にインターネットをさまよって気が付くと寝る時間になっていることもあるだろう。

 もう1つ、皆さんは休日をどう過ごしているだろうか。どこかに遊びに行ったり、趣味を楽しんだり、布団でゴロゴロしたり、平日にできなかった家事や何かの手続きを行ったりと、過ごし方は多種多様だと思う。

 休日の特徴として、回復が挙げられるだろう。つまり、平日に向けて身体を休めるのだ。回復にも2種類あり、体力の回復と精神の回復がある。休日に動き回っていると精神的には満たされるが、体力的には回復せず次の平日でグワーッっとなる。逆にずっとゴロゴロしていると体力は回復するが、せっかくの休日を無駄にしてしまった気になり、精神が回復せず次の平日でグワーッっとなる。どちらを選んでも詰みになってしまう。致命的なバグだ。人生にはデバッグが足りない。両方を回復できる行為はほとんどないと言っていい気がする。例えば読書は体を動かさないし、知識が手に入ることにより両方回復するのではと思うかもしれないが、頭を働かせているため完全に休めているとは言えない。

 休日に関しては、体力よりも精神の回復が重要になってくると思っている。体力は寝るとある程度回復するが、精神は寝ても回復しきらないからだ。金曜日の夜に、平日のできなかったことを取り返そうとして寝るのが深夜になり、土曜日のお昼過ぎに起きて午前中を失った自分に嫌気がさす。そのまま午前中を取り戻そうとしてまたしても寝るのが深夜になり、日曜日の午後に起きて自己嫌悪に陥る。陥りがちなパターンだった。

  このままではいけない。とは考えるのだが、毎週同じようなことを繰り返し、日曜日の夜には自己嫌悪を抱えた状態で部屋にいる。どう過ごしてもその状態で部屋にいる。一瞬オール・ユー・ニード・イズ・キルかなと思うが、あの映画の主人公はループの中で成長していく。自分自身はなんにもできていない状態ばかりで成長していないためやっぱり違う。

 

 今年の2月から2か月ほど休職した。その時の話は以前ブログで書いているので、まだ読んでいない方がいれば、読んでいただけると幸いである。

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 2か月ほど大体同じ時間に寝て、同じ時間に起き、3食しっかり食べることを繰り返した結果、生活リズムは劇的に改善された。精神がある程度回復したのは薬のおかげでもあるのだが、生活リズムが改善されたことも重要な要因の1つだと思っている。

 

自己を肯定するにはどうすればいいのか

 もう1つ、自分には改善したい癖があった。それが上に書いていた、平日や休日に何もできなかったという罪悪感をいかにしてなくしていくかということだ。

 何もできなかったという感情はどうしても発生してしまうことがある。月曜日は退勤後もある程度活動的にできたとしても、火曜日にうだうだしてしまうと、平日はなにもできていないという感情になってしまう。良い事実が悪い事実で上塗りされてしまう。

 この不可避的な「何もできなかった」という嫌悪感を減らすためにどうすればいいのか考えた結果、少しでも何かやれたことが確認できるといいのかもしれないという結論にたどり着いた。もっと端的に言えば「何かやったことを可視化する」のだ。

 1日10分でも、30日繰り返せば300分、合計5時間やったことになる。こういう積み重ねられた時間(何か作業をした時間)が可視化できると精神衛生的に良い気がする。「今日は作業ができた気がする」「今日は作業ができなかった」という主観的な判断ではなく、数字という客観的・具体的なもので自分を判断することで自己肯定感は高まるのではないか。

 以上の仮説を立て、実際に行動を起こしてみることにした。普段やれるといい作業(自分の場合は読書、ブログの記事作成、ウェブデザインの勉強、短歌・小説の作成、以家事、筋トレなどである)の時間をつけていく。そして月末にこれだけやったのだという達成感が確認できるようにした。

 

可視化の方法

 その際に、『リズムケア』と『Focus To-Do』というアプリを使用した。

『リズムケア』とは、様々な記録を様々な方法で付けることのできるアプリである。読書やブログの記事作成など、時間がある程度かかるものに関しては、「累計時間」という単位で集計を行っていった。後述する『Focus To-Do』というアプリを使って時間を計測し、それらをリズムケアにも記録していく。

 

超じぶん管理「リズムケア」

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  • Yasuo Shiohata
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 リズムケアの画面その1。 『Focus To-Do』を使って時間を計測し、その日の作業時間を記録していく。『累計時間』で設定していると、時間を記録するごとにその日の合計時間を加算してくれる。

 

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 リズムケアの画面その2。その1の画面でグラフが描かれたボタンを押し、出てくる画面の右上にある丸に十字が重なったボタンをクリックすると合計時間や平均時間を表示してくれる。どうやら5月1日から5月27日まで1日平均で約41分、合計で約18時間34分読書をしているらしい。18時間というと、結構大きな数字に見えてきて達成感がある。

 

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 リズムケアの画面その3。筋トレに関しては『チェックBOX』で設定している。この日は腕立てをしているため、チェックを入れて『DONE!』にしている。腕立ての右側に丸に斜線が引かれたようなマークがあるが、これを押すと『Not DONE』、つまり達成できなかったことを記録することができる。自分は筋トレをしたときに、内容に合わせて『DONE!』を押すだけにしている。

 

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 リズムケアの画面その4。グラフが描かれたボタンを押すと、『チェックBOX』の場合はどの日に作業を行ったかが見られるようになる。 先ほどと同じように丸に十字が重なったボタンをクリックすると、Doneの合計回数が表示される。

 

 先ほどから名前を挙げている『Focus To-Do』は本来ポモドーロ・テクニックのためのアプリであるが、時間計測としても使っている。

Focus To-Do: ポモドーロ仕事法+タスク管理

Focus To-Do: ポモドーロ仕事法+タスク管理

  • Shenzhen Tomato Software Technology Co., Ltd.
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 作業に集中することは良いことだが、あまりにも集中しすぎると体力と精神力を両方大幅に使ってしまい、集中が切れた後しばらく反動で動けなくなる。過度な集中ははかいこうせんだと言えるかもしれない。このような反動を防ぐために、ポモドーロ・テクニックを使用している。

 先ほどから何回か出ているポモドーロ・テクニックとは、仕事や勉強、家事などの作業を25分間続けた後に5分の休憩を取り、作業を4セット続ける。4セット終えたら、15分~30分程度の長い休憩を取る。そして再び短い休憩をはさみつつ、タスクを4セット進める。詳しいことは『ポモドーロ・テクニック』で検索してもらえればいくらでも紹介記事が出てくるだろう。

  読書、勉強、ブログの記事作成、短歌・小説の作成はポモドーロ・テクニックを使用して進めている。25分間は集中力が持続する時間としては絶妙だと思う。短すぎないし長すぎない。短い休憩に関しては、少し時間をオーバーすることもあるが気にしないようにしている。作業を25分行えたことに意味があるからだ。

 もし何らかの理由で作業を中断するときは一時停止を押しておく。再び同じ作業を続けるのであればタイマーを再開すればいいし、違う作業を行う場合は途中までの時間を記録する。例えば、タイマーが残り13分だとしたら、12分は作業をしていたことになるので『リズムケア』に12分と記録する。

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 Focus To-Doの画面その1。『タスクの追加』に作業名を打ち込むと、『受信箱』にタスクが追加される。受信箱のタスク右側のアイコンをクリックすると25分のタイマーがスタートする。上の画面ではタイマーが動いているため、時計のアイコンになっているが、動いていないときは再生ボタンのアイコンになっている。

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 Focus To-Doの画面その2。タイマー画面である。何かしらの要因でストップさせたいときは一時停止ボタンを押す。そして停止するまでに経過した時間をリズムケアに記録しておく。

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 1日にどれくらいの時間作業を行ったかについて確認することもできる。しかし、合計時間は出てこないため、リズムケアに時間を記録するようにしている。『Focus To-Do』で計測して後に『リズムケア』に記録という作業は二度手間ではあるため、25分でタイマーをかけてもいいのかもしれないが、アプリだと25分と休憩時間をあらかじめ設定してくれるという利点がある。

 

 ここまでは日々の 作業の可視化について話をしてきた。次に日々のやることリストについて自分の使っている方法を書いていく。

 

日々のタスクリストについて

 家事の詳細(掃除、洗濯)や、買わなければいけないもの、行うべき日々のタスクに関しては『Evernote』を使用している。

evernote.com

 Evernoteにはチェックリストボタンというものがあり、それを使ってタスクリストを作ることができる。また、外でも見られるようにパソコンとスマートフォンEvernoteをインストールして、同期させている。

 日々のタスクに関しては、些細な事でもリスト化している。服をクリーニングに出すから、シャンプーを買う、爪を切る、LINEを送るまで。どんどんタスクリストに入れないと、忘れてしまうからだ。また、些細なタスクは頑張ればすぐに終わり、チェックが付きやすい。チェックが付いたタスクが増えることによって、生活を頑張っている感じを可視化することができる。

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 Evernoteの画面。「今日中にできればいいこと」「今週中にできればいいこと」「早いうちにできればいいこと」と大まかに分けてタスクリストを構成している。

 

終わりに

 自分はすぐ自己嫌悪に陥ってしまう。作業を進めても、あまりできなかったと思い込みがちだ。おそらく、作業をどれくらいやったかが可視化できないと、本当はあまりできなかったのではと思い込んでしまうのかもしれない。そこから、生活の可視化に取り組んでみた。結果、今のところ部屋は片付いているし、精神も落ち着いている。薬も飲んでいるのでその影響もあるかもしれないが。

 もともと様々なものを数値化して、記録を取っていくのが好きだ。野球のシミュレーションなどを何十年もプレイして、自チームにいる1人1人の成績推移を見ながら架空の選手の野球人生に思いをはせたり、タイピングゲームである『寿司打』のスコアを記録して、自らのタイピング能力について分析してみたりしている。

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 寿司打の記録。よろしければお読みいただけると幸いである。

 

 生活が曖昧になってくると、曖昧なものは自らを苦しめる存在となり、どうしても悪い方向へ考えがちになる。そこで生活を可視化して、曖昧さを消し去るように努めている。おそらくライフハックだろう。自分には、自分の作業を可視化してしまう方法が今のところ合っている。

 この方法は本屋やインターネットで見かける自己啓発ライフハックと同じく、向き不向きや個人差があるので、これをそのまま他の人に当てはめて成功するとはあまり思えないが、生きていく上で何かしらのヒントになれば幸いである。