コムギココメコ

備忘録と不備忘録を行ったり来たり

第33回文学フリマ東京に参加しました

 5年連続5回目の文学フリマ東京への出店となり、どんどん形式上だけは笑い飯みたいになってきている。

 

 私にとって文学フリマ東京は、ターリー屋のバターチキンカレーを食べて想像上のインドを感じる場所でもあったが、コロナウイルスによって食べ物の出店がなくなってしまった。クルミドコーヒーの出店もない。様々なものが姿を消したが、2021年の秋も自サークルは文学フリマ東京に出店することにした。

 サークルの話をしておくと、私はメゾン文芸部というサークルを主宰しており、大学時代の友人たちと毎年小説の合同誌を出している。また、短歌冊子を個人で出してもいる。

maisonlc.home.blog

 

 出店者募集がはじまったのは7月頃で、例年より2か月程度遅かったように思われる。とりあえず参加申し込みをして、出店料を支払った。この時点ではほとんどのメンバーが1文字も書いておらず、自分も同じだった。

 その後は私生活に余裕が無くなったため、しばらく文学フリマのことを忘れる日々が続く。そうしていくうちに7月、8月、9月が終わっていき、気がつくと10月半ばになっていた。昨年はこの時点で小説が出来上がっていて校正をしていたが、今年は誰一人として提出していなかった。昨年の自分なら怒り散らかしていたと思う。

 なかなか自分を含めたメンバーのエンジンがかからず、今年は小説合同誌の新刊は出せないかなとも思っていたが、11月頭にようやくエンジンがかかり、自分のものを含めて4作品が完成した。社会人が深まっていくにつれて、なかなかこういった活動を維持していくのは難しくなるのかもしれない。あらゆる楽しいこと、面白いことにつきまとってくる気力という存在。嫌な話だ。

 その後はメンバーでカバーに使う写真を選定し、タイトルを決めていった。最終的に『HELP!』というタイトルに決定したが、これは切羽詰まった状況によって生み出されたものかもしれない。急ピッチでカバーのデザインを行い、締め切りの半日前になんとか入稿することができた。

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 改めてカバーを見てみるとほのかに洋書っぽい気がする。「洋書っぽい」という感想は友人のものであるため、一応私の感想を述べておくと「頑張った」になる。

 終わってからものんびりする暇はなく、自分の短歌冊子の作業に取り掛かる。20首連作が入稿締め切りの1日前になってもまとまりきらなかったが、なんとか完成させることができた。

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 短歌冊子の表紙に関しては、友人が旅行中に撮った写真を使わせてもらった。個人的にはタイトルと作者名を表紙に入れたくない気持ちが1年前から生まれていて、今回実行に移した。個人で冊子を作っているとこういった考えをダイレクトに反映できるので良い。

 入稿が終わった後はお品書きや物品の準備、既刊の搬入などを行い、文フリ前日に東京へと出発した。

 

 東京は結構な勢いで雨が降っていて、秋葉原のホテルまで靴を濡らさずに歩くのに苦労した。チェックインを済ませ、一息ついてから夕食を食べに行く。23時近くになっているとほとんどの店は閉店していて、ギリギリ空いていた日高屋へ向かう。迷ったら日高屋に行けば大抵は解決する。店内は結構賑わっていた。久しぶりに汁なしラーメンを食べる。個人的には日高屋と言えば汁なしラーメンだ。チゲ味噌ラーメンの到来で冬を感じる友人もいる。

 

生活にサンタが入りこむ頃の息の白さは少し足りない

 

 冬に入ってすぐの短歌だ。この文章は12月の半ばに書かれているが、息の白さをまだ見かけていない。この短歌は今回出した短歌冊子には入っていない。

 ホテルに戻り、しばらくテレビショッピングをラジオ代わりにしつつネットサーフィンをしてから眠りについた。

 

 当日。ホテルをチェックアウトして、キンコーズに向かった。印刷をし終わった後にお品書きに書かれているサークル番号が違っていることに気づき、慌てて白いペンを買いに行く。生まれて初めて白いペンを買った。

 寄り道をしたがなんとか集合時間に間に合い、友人とブース設営を行う。5回目ということもあり、開始時間までに準備が微妙に間に合わなかった。

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 その後は2時間ほど店番をする。開始30分弱で最初の1冊が売れて気分が楽になる。1冊目が売れるまでは、何回参加しても胃が痛い。これは今後何回参加しても同じような状態になると思う。ブースに来て挨拶をしてくださったり、お声がけくださった方もいた。ありがとうございます。

 他のメンバーがやってきたので、店番を交代して他のサークルを回る。チェックしていたサークルの新刊は大体買えたと思う。購入フェイズが一通り落ち着いたので、駅前にあるゆで太郎に行ったが、行列ができていた。他に考えるのも面倒だったため並ぶことにする。15分くらいで席につき、そばとからあげ丼のセットを食べた。そばとからあげの味がした。

 会場に戻り、再び店番をする。さらにメンバーが顔を出してくれたり、大学の後輩が現れたりした。小説の合同誌も短歌冊子もぽつぽつと売れていった。

 終了時刻である17時まで滞在し、文学フリマが終了した。その後は片付けをメンバーで手分けして行い、会場の外で売り上げの報告を行った。15時ごろで早退した昨年より売れたので、とりあえずは一安心だ。

 その後はメンバーとファミレスに行き夕食をとる。疲れているからかあまりお腹が減っていなかった。目の前の友人は唐揚げ定食を頼んでいたが、量が結構あったため目からカロリーを摂取している気分になった。

 その後は友人2人と群馬まで電車で帰ったが、7割ほど寝ていた。高崎線という路線は、埼玉は意外に縦に長いことを感じさせてくれる。電車を降りた後は友人の車で自宅まで届けてもらい、22時半頃にアパートへとたどり着いた。

 

 文学フリマが終わり、現在は新刊および既刊の通販を開始した。

 

【新刊】

komugikokomeko.booth.pm

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【既刊】

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 来年に関してはまだ未定の部分が多いが、おそらく参加すると思う。年1回本という物質を出す行為はもはやルーティーンと化している。あとはメンバーが揃うかどうかだ。

 また、小説に関しては年1回ではなくもう少し作品をブログやTwitterで発表をしていければと思う。アイデアはいくつかメモをしているので、あとは時間と気力が揃えばと思っているが、時間はともかく気力はどうにかしていかないと減る一方な気がしている。もう何も考えなくても創作ができる時期は終わってしまった。ここからは工夫をしていかなければならない。

 

 まずは早く寝ることにしよう。