コムギココメコ

備忘録と不備忘録を行ったり来たり

石野卓球『ACID TEKNO DISKO BEATz』(2018年に購入/レンタルしたアルバム)

石野卓球『ACID TEKNO DISKO BEATz』

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 2017年リリース。電気グルーヴの結構ヤバい方、石野卓球の9枚目のアルバム。

 前作の『Lunatique』が官能的(音楽で官能的だと思えるもの、結構少ないと思う)でかなり良かったため、今回はどうだろうかと思いつつ春あたりに購入。

 ジャケットはスマイリーとピカチュウが溶け合って血を流しているというデザイン。ポップと悪趣味が融合したような感じだ。

 聴いてみると、名は体を表すという感じだった。アシッドで、テクノで、ディスコなビートである。基本は4つ打ちのテクノで、曲の至るところでウネウネとした音が聴こえて、アシッドだなと感じる。また、ディスコ特有の官能性もうっすら感じられる。前作が服がはだけたような、官能が前面に押し出されている感じだったが、今作は服を着ているけれども、エロティックな雰囲気を漂わせているといったところだろうか。また、前作よりも跳ねるような、楽しげな音が多くなっているような気がする。

 1曲目の『BambuDo』では、キンキンとした音が飛び跳ねながら、多幸感のあるメロディに、アシッド特有のウネウネが混ざる。4曲目の『JackTaro』はアシッド全開で、時々入るフィルインの後の指を鳴らすような音が気持ち良い。6曲目の『KittenHeal』は若干シリアスな曲。3rdアルバムの『throbbing disco cat』に似た質感。7曲目の『SunGarden』はシリアスを抜けて、晴れ間が差すようなメロディが現れる。一聴して、なぜかYMOの『開け心-磁性紀-』という曲を思い出した。そのまま光が差すような曲が続き、ラスト10曲目の『Toxic Love』できれいに着地する。

 個人的には前作のほうが好みだが、聴いてて重くならないので、普段使いに適している感じだった。