コムギココメコ

備忘録と不備忘録を行ったり来たり

約5年分の枝豆

8月28日(金)

 健康診断が社会人になってから一番悪い結果になってしまったため、生まれて初めて能動的にサラダセットを注文した。

 生野菜が基本的に苦手であるため、サラダも社会に馴染むために数年かけて食べることができるようになった。しかし、サラダを食べるのはあくまで人前でだけで、一人でいるときはサラダを頼むことは二十数年生きてきて一度も無かった。強制的に付いてしまう場合は頑張って食べた。

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 こういうサラダと一番相性が悪い。ゴローニャハイドロポンプをくらったときのHPの減りの速さを想像してほしい。あれくらいの速さでテンションが下がっていく。

 野菜が苦手だったり、ラーメン屋やお菓子ばかり食べてしまうような生活の積み重ねが健康診断の結果を悪くしていく。数値を見てショックをひとしきり受け、ちゃんと健康的なものを食べようという決心が、サラダセットを注文させる。

 窓から外が見えるカウンター席に座っていたため、サラダを食べるたびに、ぐにゃあっとなる表情が通行人から見えていたのかもしれない。

 

 住んでいる場所から数駅で行ける古本屋に行く。「古本詩人 ゆよん堂」というお店だ。

古本詩人ゆよん堂🎪12月24日13時〜19時営業 (@yuyondou) | Twitter

 

 今は関東に引っ越してしまったためなかなか行くことが難しくなってしまったし、新潟に住んでいた時も2、3回しか行くことができなかったのだが、良いお店だった。

 その日は確か都市伝説に関する本などを購入したような覚えがある。中学校の頃から都市伝説にはまって、ネットに転がっているものをたくさん見た。

 ホラー系の都市伝説は、小学校の頃に学校の怪談を数冊読んだあとに1週間以上体調を崩した経験があったせいで駆け足で読んでいた。

 都市伝説はホラーを伴っているものも多いため、中学生のわたしは長い時間駆け足だったのだろう。

 本を購入した後、店主の方と少し話をした。何を話したかはあまり覚えていないが、安部公房に関する話をしたことだけは何となく覚えている。レジの近くの棚に箱男のハードカバーがあったような気がするが、こちらは何となくしか覚えていない。ブックカバーを購入したことは確かである。実物が残っていて、実際に使っているからだ。

 帰り際、店主の方に大量の枝豆をいただいた。茶豆という、新潟でしかあまり出回らない美味しい枝豆だ。早速帰って、ではなくヒトカラを挟んで家に帰り、枝豆を一気に茹でた。

 結果、タッパーいっぱいの枝豆が茹で上がり、3食枝豆を食べ続けることになった。少なく見積もっても5年分はあったと思う。

 最初はひとつずつ取り出して食べていたが、次第に面倒になり2分間ひたすら豆をお椀に出し続けて、取り出した分を一気にかきこむスタイルにした。口いっぱいに枝豆を食べる経験は、これから先することはないと思う。